表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かふぇ&るんばっ♪  作者: 鴉野 兄貴
かふぇ&るんばっ♪ えきすとら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/63

おうちの待合室はオープンカフェ かふぇ&るんばっ♪アフター3

「うっさいわね。莫迦掃除機」「うん。今日も美味しいよ」


 うちのお母さんとお父さんはちょっと変なヒトです。

普段はしっかり者のお母さんとちょっとトボけているけどご近所さんに慕われるお医者さん、ナイカのセンセーなんですけど。学校の先生じゃないけどせんせーです。御爺ちゃん、お婆ちゃんのセンセーです。若くてカッコいいのにね。


 あらたかおるって言います。八歳です。

皆からシンコちゃんと言われます。名前でからかう男の子は大嫌いです。

お姉ちゃんはあらたひかるって言います。

双子のお姉ちゃんですけどいつも私がお姉ちゃんって間違われます。

それよりうちの両親とお姉ちゃんは普通じゃないのでいつも苦労している事について言いたいのです。お婆ちゃんはハイハイって言ってあんまり相手にしてくれないし。

お父さんはボケたところがあるけどとても真面目でカッコいいのですが、その一番ボケている処は家にあるボロッちい珈琲メーカーと話をしているのです。珈琲メーカーです。ちょっと変と言うかおかしいでしょう?

お母さんに至ってはいつもしっかり者に見えて何故かロボット掃除機とお話しています。お話機能のお話じゃないです。変な言い回し。


 わたしの事、『歳の割にはしっかりしている』ってオトナは皆言うけど、泣き虫で『物の言葉が解る』といって苛められるお姉ちゃんとボケた二人の親を持てば嫌でもこうなります。

お父さんの名前はしん。お母さんの名前は澄香すみかって言います。

皆が皆『モノの言葉が解る』と言う変な家族に産まれた私は悲劇です。理不尽です。だからお婆ちゃんのほうが頼りになるのですけどお婆ちゃんもちょっと変わっているのです。

皆病院に行けばいいのです。うち病院ですけど。


 うちの『あらた内科クリニック』は待合室が自慢です。

待合室っておじいちゃんとおばあちゃんがいっぱい列を作って並んでいるって感じなんですけど、うちは一味違います。本当に違うんですよ。

なんと中はカフェ。喫茶店屋さんなんです。

予約を取っているとすぐに診察を受けれて、珈琲一杯無料なんです! すごいでしょ?!

その分、お母さんが苦労しているけど。仕方ないよね。『掃除機さんの入れ知恵』らしいけど。意味わかんない。

オンボロだけど手入れされた珈琲メーカーさんの珈琲は何故か御爺ちゃんお婆ちゃんに好評でそれがもとになって今の待合室になっているみたいだけど。

最新の珈琲メーカーのほうが美味しくて沢山淹れられるので普段のお客さんはこっちですが、昔からの御爺ちゃんお婆ちゃんは『珈琲メーカーさんの』って注文します。時間もかかるし、時々電源が入らないのに。……変なの。


 小さな雑居ビルがそのままうちです。

一階がカフェ、二階が病院、三階が私たちのおうちです。

ちょっと狭いです。天井はご近所さんが遠くの花火大会を見に来たり、夏場のおーぷんかふぇになったりします。

カフェには近所のヤクダイやイカダイガクの学生さんが残した本がぎっしり。

図書館みたいですけど図書館みたいなこともやっています。

いらない漫画を引き取ったり、コーヒー一杯で持って帰って良いとか言ったり。

うちのパンは近くのパン屋さんのを置いています。

サンドイッチが美味しいんですよ。

うちの儲けには直接ならないけど、街のみんなが喜んでくれるからっていうことです。お父さんってお人よしだよね。うん。

長くなりましたが、うちの家族はちょっと頼りないので私がしっかりしなきゃいけないと思うのです。うん。みんなの事。大好きだもん。

天国の御爺ちゃん。うちで作る珈琲は美味しいんですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ