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かふぇ&るんばっ♪  作者: 鴉野 兄貴
掃除機さん 掃除機さん あなたに微笑む顔があれば

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ザ・ハンド……その手は飾りか

 私は湯の温かさに身を委ねていた。ああ。きもちいい。

『もうお風呂入っていいよ。澄香。アレなら一緒に入るけど』お断りします。あらた

医者の卵の元恋人は色々気遣ってくれるけど。あの暖かさに溺れるのは嫌いじゃないけど。嫌だ。


 風邪治ったあとの風呂は格別だ~~。

じゃぶんとお湯を揺らして長風呂を楽しむ私。ふと指を見るとしゅわしゅわに水を吸っている。

しわしわ。しわしわ~。保湿保湿っと。湯上りにクリームを手に塗る。最近あかぎれが改善されたな。


 ていっ!

私は足元をくるくる掃除しているロボット掃除機を軽く踏む。

あ。バスローブのままだ。見えた? 見えたでしょ? 責任取れ~。あはは♪


 暖房の効いた部屋に戻り、バスローブを脱ぎ捨てた私はパジャマに着替えて布団に潜り込む。

あったかい~! 最高! 布団最高~~~~~~!


ふみゅふみゅ~。すやすやすや~。ずぴー。


「澄香。イビキが酷い場合、呼吸を疑ってもいいと聞くぞ」

珈琲飲んでいないのに喋るな。掃除機。眠い……。寝ぼけているなぁ……。


 ジリリ。

おっと。見ようと思っていた深夜アニメの時間だ。

珈琲珈琲。オタクの子みたいに全裸待機はしないけどね。ホントだよ?!


 ふわりと鼻を刺激する薫香に思わず『にしし』と笑ってしまう。

昨今の深夜アニメって萌えばっかりなのかな。女の子向けも見たいな。

たわいも無い内容だがネットのツイ友のお勧めなので一応見る。


 おーい。なんかいわないのか。

充電待機モードの彼に声をかけてみるが。


 おーい。人の大事なところを見ておいてそれはないだろう。

「勝手に踏んだだけだろう」うひひ。あはは。


保湿クリームを塗って手袋をつけていた手を見ると。うん。つやつや。私は機嫌が良いのだ。

「私の機嫌は」掃除機に機嫌はない。


 お風呂から出てすぐに、おなかとか背中とか手のひらとか足の裏とかひじの裏とかひざの裏とかわきの下に冷水かけて即お布団に入って寝ると活性脂肪細胞の関係でやせ易くなるって聞いたのだ。

「誰にだ」どっかのWeb作家さんらしい。ツイ友。


「自律神経を整えるために規則正しい生活をしろ。風呂に入れ、ちゃんと寝ろとは言ったが」一時間寝たよ~。これ見終わったらまた寝る~。


「朝までツイッターとWebで終わるな」うっさい。

「手があるのに勿体無いな」ふみゅ。


 あ~。そうだそうだ。

あらたが言ってたけど、あの指がお風呂でしわしわになるのってぬれた手が水中でもモノをつかみやすくするためかもしれないんだって。

あと、普段からしわしわじゃないのは、指先の感覚を大事にするためなんだって。すごいね。人体。


「就職活動はどうした」


 あと、拳があるのは人間なんだって。

お猿さんはすごく握力あるけど、親指を添えて拳を作って同族同士の喧嘩に使うのは人類だけらしいよ。

道具も使うのは拳も関係あるんだって。人類すごいね。すごいよ。


「いいから自分と戦ってくれ。早く就職しろッ 間に合わなくなっても知らんぞッ 」

再来月までに就職できなかったら実家に帰らないといけないけど。


 いいよね。まだあと二ヶ月あるし。

「春までに就職しろっ?! 」


アニメアニメ~。おっと実況スレも参加しないと。


 私の名前は紺野澄香こんのすみか

手が二つ以上あるより、目がいくつかあったほうが楽な布団の中のコタツ無理こたつむり

珈琲を飲むと口うるさい掃除機さんの言葉がわかる女。

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