表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かふぇ&るんばっ♪  作者: 鴉野 兄貴
楽しい掃除機さんの優雅なヒビ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/63

コマットックス……パソコンが壊れた

「おちつけ。澄香。電源は入っているか」

私の名前は昆野こんの澄香。現在深刻な危機に陥っている。

ぱそこんがこわれたあああっ! あらた助けてぇえぇっ!

珈琲を飲んでいたら小型ノートPCが動かなくなったのだ。


 昨日まではちゃんと動いていたのにぃ!

「おちつけ。澄香。電源切れなら電源コードを繋いでフタを空ければいい」


 今日はツイッター友達にレスして、ついでに就職のエントリーシート書いて、

最近はじめた無料ネットゲームの友達と遊びにいこうと思ってたのにぃ?!

「無職がネットゲームをやろうとするな。死亡フラグだ。それより電源コードは見つかったのか」

あんたが昨日やかましいからアンタを苛めるのに使ったじゃない。

「……だから、電源切れになっている可能性が高いから、コードと電源をつけてみろといっている」


 前に使ってたパソコンはこんなことなかったよ~! 十二時に一緒に狩りに行こうってネットゲームで知り合った人に言われたのにぃ~!?

「いや、だから、電源コードをつけろといっているのだが」

十二時までまだまだ時間あるけどこのままでは困るよ~!


「ああ。澄香。珈琲でも飲んで落ち着け。人の話をきけ」えっ?! 何?!


 私が睨みつけるとロボット掃除機はくるくる回りながら私の足元を通過して行く。

「いいか。私に絡まっている電源コードをとれ。そしてPCに繋いで電源を取れ」


 なに言ってるのよ! 元々あなたが余計なことばかり言うからコードを絡めてお仕置きしてあげただけじゃないっ!

「そのような昔のことはどうでもいいから、電源切れになっていると思われるので、PCに電源コードをつけて、コンセントにつけてみろ。落ち着け澄香」だいたい電源切れていたらぱそこんは動かないでしょうがッ


 私の回りをくるくる掃除しながら彼は告げる。

「だから、電源が切れている可能性があるから、先に電源をつけてみろと言っているのだ。落ち着け。澄香。ちゃんと珈琲を飲んで深呼吸しろ」


 怒っているよねッ 昨日のこと逆恨みしているでしょうっ

「私は掃除機だ。怒ったり泣いたりしない」黙っていたらいつもいつも私は掃除機掃除機! 私の気持ちも考えてよッ


「だから電源をつけろと」

私の気持ちを考えろって言ってるのよッ!!!!!! このバカっ! 鈍感ッ!


……。

 ……。


 ごめんなさい。

「やっと落ち着いたか」うん。


「その症状だとPCとモデムとルーターの電源を落として再接続を試みてから5分ほど待ってプラウザを起動すればいいだろうな」はい……。あ。繋がった。


あらたなら『あるあるそう言うの』や『うわあ大変だね』とか『わかるわかる。困るよね。本当に』と言いながら直しに来てくれるのだろうな」

アイツに直してもらったら借りが出来ちゃうじゃない。


「すべての男性にわかってほしい。女をめんどうだと思わないで。

女はなんで不機嫌になるか考えたことある?考えたことないでしょ?

……男はそういう遠まわしに要求しつつ、悪いのは私じゃないとする態度を嫌がるものだぞ」……う。


 なんか、私があらたをいつも苛めていたみたいじゃない。

「ほら、ゆっくり珈琲を飲んでおちつけ。そんなことはどうでもいい。一日二日PCが使えない程度で慌てるな」

掃除機にはわからないんだよ。これがないとね。寂しいことに気がついてしまうんだ。

ウソでもなんでも、みんなと一緒にゲームで狩りしたり、ツイートし合っていれば寂しくないんだ。


「人間は誰かに認められたい。認め合いたいと思ってしまう生き物だからな」うん。


 風邪引いたり、就職できなかったり、元カレとよりを取り戻さないかと言われているのに断っちゃったり。

何しているんだろうね。

あらたの隣にいて劣等感に苛まれるのもイヤだが、誰の隣にもいない自分もイヤだ。か」うん。


 辞めたやめたっ! 「なんだ? 」

テレビゲームをやろう! 対戦でッ 「……対戦? 」

うりうりうり。手も脚も出まい「私にゲームの操作はできないのだが」


 あはは。悔しかったら一勝してみろ~!

「別に悔しくはないがな」負け惜しみ負け惜しみッ


 私の名前は紺野こんの澄香すみか

珈琲を飲むとロボット掃除機の言葉がわかる妙な能力を持つ。


 ロボット掃除機は私の心が分かるのに色々聞いてくる。

不安や苛立ちも色々言葉にして吐き出すと少し気分が楽になる。

役には立たないけど、揺れているときには何かと落ち着く。かもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ