多田重道
その後俺は警察から取り調べを受けそして明日賞状を上げるために警察署まで来てくれと言われたが、無事家まで帰った。
「姉ちゃんー買ってきたけどー?」
「おお、ありがとねー」
リビングでソファに座り家庭用ゲームをやっていた姉ちゃんはこちらに見向きもせず言った。
「あれっ?」
姉ちゃんがそう疑問の声を上げると
「どしたの?」
「負けた…」
おかしい、姉ちゃんは相当のゲーム廃人であってめったに負けるなんてことはないのだ
「え…」
「ま、負けることもあるか。よしっご飯食べよ」
姉ちゃんはそう切り替えし早く言うと俺がテーブルに置いたビニール袋からコンビニ弁当を取り出した
「お、ちゃんと俺の好きなヤツじゃん」
「姉ちゃん…そろそろ自分を俺呼びするのやめようぜ…」
「いや昔っからの癖で治らなくて」
「昔っからって…もう18でしょ?高校にも行かないでゲームばっかして…」
「悪いねー不登校な姉ちゃんで」
嫌味の様に言いやがった。こちとらゲームとか金無いのに課金しやがるからバイトとかしてるというのに
「ま、二年目だし慣れた」
「じゃあ大人になってもスネ齧らさせてもら――――」
「いや、働けよ!」
「けちー」
「ケチとかそういうのじゃないからな?これ」
―――――午後16時
「あ」
リビングでアニメを見てる姉ちゃんが唐突に言った
「ん?どしたの姉ちゃん」
「いや、ほら今度知り合いの結婚式があるからさ正装っていうのかな?買ってこないとって思って」
「いや、学生だから制服着ればいいよな…」
「じゃあ知り合いの結婚式っていうのは嘘なんだけど、今度今やってるゲームでのオフ会があるんだよ」
「オフ会?いっつも着てるジャージでいいじゃん」
「はぁ…これだから脳ミソ暴力だらけのバカは…」
「あ゛?」
「いやーそのゲームのチームの一人がとても仲好くてさ、一回写真見してもらったんだよ」
「で?」
「これがすごいイケメンで…」
「あーはいはい、ジャージでいいね」
「だ!か!ら!お洒落して落とすっていう方向に―――」
「いやー姉ちゃんじゃ無理でしょ、一人称俺の女子ってって思われるだろうしな」
「いいから、とにかく服買いに行こう」
「ヤだよ」
「アイス奢るから」
「よし、行こう」
アイスに弱い俺だった
デパート――――――
「うーんこれもいいけど…こっちのも捨てがたいなー」
「早く選んでよーアイス食べたいし」
ピンポンパンポーン
デパートの中で恐らく全体での放送だろうかとりあえず放送がかかった
〔お客様にお伝えします。たった今 多田重道容疑者が当店に侵入したとの情報が―――ゑ?〕
次の瞬間店内放送で明るいデパートに似合わない肉を切り刻む様な音が鳴った
そして――――
〔あーあー聞こえますかー。〕
多田重道が話し始めた。
多田重道は凶悪犯罪者だ。
まず最初におこした犯罪では女学院を襲い
生徒全員を緊縛しそして一人ずつ殺した。
警察もそのとき動いてはいたが脅しに竦んでしまったのだ
多田が使った脅しは
『今から1分ごとにこのように人質を殺す』
そう言って多田は防弾ガラスの前で一人の生徒のこめかみを銃弾で打ち抜いた
そして次々と―――
さらにこれは噂だが殺した生徒の中でも死に顔が美少女の生徒を集め屍姦していったらしい。
だが何故そんな犯罪者が生き延びているのかというと謎の科学では解明できない力で守られているのだ。
彼を殺そうとすると殺そうとした人間が死ぬまったくの謎だがそんな事を現実でおこす様な犯罪者なのだ
〔えー皆さん。初めましてー凶悪犯罪者の称号を持つ多田重道でーす。以後声だけでもお見知りおきをー〕
「涼…たしか多田重道って…」
「あぁ…女学院生徒皆殺し事件の多田重道だ…」
そんな会話が周りでもザワザワとはなされていた
〔あー確かこのデパートって半分に分けられるんだよなー?よしっ!決めた〕
放送でかかった言葉は恐ろしいものだった
〔皆さん殺し合いをしてください。〕
周りは一気にビシィッって音が聞こえてもいいぐらいの静寂になった後またザワザワとし始めた
〔このデパートは四階建てだーだから一階と二階でAチームそれ以外でBチームにするからよー殺し合ってくれー。あ、そうだそうだーついでに言っておく、放送室にいる俺を狙ってきてもいいからさー楽しませろよ?〕
「殺し合い…」
〔亞、それじゃあスタート〕
多田がそういったあとブレーカーが落ちた否落としたらしく電気が消えた
「一日に二回も事件に巻き込まれる何てついてねーなぁ…」
「…涼!」
姉ちゃんは名案を思い付いた様な声で俺を呼んだ
「何?」
「いまから多田をブッ飛ばしてこい!」
サムズアップをしつつ俺にそんな要望をしてくる。何だこの姉ちゃんは弟に死ねと言っているのか。
「いやそんなん無理に決まって――――
後ろから何かで殴られる
「いっつ……」
「殺らないと殺される…殺される…」
どうやら放送を鵜呑みにした馬鹿な一般人の様だった
「いってーよ!」
その一般人を殴り飛ばした、様子を少し伺ってみるとどうやら気絶したみたいだ
「涼」
「何だよ姉ちゃん!」
「周りもさっきのヤツみたいになってるぞ…」
周りを確認すると暗くてさすがによく見えないがそこらへんに置いてあった武器を取った一般人だらけだった
「やべぇじゃん…」
顔を引きつりつつ言った
「これはやっぱり…」
「多田の所に乗り込むしかねぇぇ!」