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愛情の定義

作者: 江角 稚

愛情の定義って何だろう。

先に言っておきます。


私は彼が大好きです。

そして、私は私が嫌いです。




私は人を

普通に愛することさえ

出来なくなってしまったから


私は彼に

普通に愛されることさえ

教えてあげられなかったから




時々

分からなくなる


人が人を「愛する」と言うのは

一体何を指すのか




私は彼に尽くしたつもりだけど

彼は本当にそれを望んでいたのか


それでいて

彼に何もしてあげられないと嘆いては


「彼の望むことをしてあげよう」と

彼の望みを聞きたがった




その結果として




いつしか私の考えは

「彼の望むことを何でもしてあげよう」となり


そこから

「彼の望みは何が何でも叶えたい」となり


自分の身を削ってでも

彼を幸せにしなければと思った




彼の、ために




そうして生まれた

私の歪んだ愛情は


私に普通の愛を

捧げられなくしてしまった




私の歪んだ愛情は

彼の考えをも変え


彼に普通の愛を

理解出来なくさせてしまった




これが、

私が私を嫌う理由です。


こうなってしまった今、私は彼に何が出来るだろう。




……あぁ、そうか。

「何でもしてあげる」んだっけ。

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― 新着の感想 ―
[一言] キーワードに親子間、とも書かれておりますが、これが例えば親に対する子の詩でも子に対する親の詩でも、どうにも男女間以上に陰鬱な風情を感じますな 子が親に対し先回り先回りで気を配るのも惨いし、…
[一言] お久しぶりです。那音です。 拝読しました。 かなり難しいテーマですね。 個人的には、詩としては重い気がするのですが、内容もこのくらいシリアスな方が却って読者には届きますね。 僕なんかこういう…
[良い点] 読ませていただきました。 愛すれば愛するほど深みにはまっていく。一度でいいから自分が嫌いになるほど堕ちてみたいです。 これからも更新頑張って下さい
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