出会い~悪魔な次男~
やっときた二人きりの春―。
あたし、綾川倭呼は―
《3月10日(日)中学2年の春
パパが再婚するって、あたしたちに告げた。
しかも連れ子いるらしい…。
いい人かな?
ちょっとだけ不安だけど、今から家族みんなで会いに行ってきます。》
―あ…、綺麗な人…。
こんな綺麗な人があたしのお母さん??
すっごくいい人だし、ちょっと安心…。
あ、あの子って…。
「海空お兄ちゃん!あの子って…?」
「あぁ。俺と倭呼の間になるのかな。兄弟になる奏って言うんだよ。俺、前に一回親父と会ってるから。」
ちょっとかっこいいかもっ…!
「そうなんだっ。よろしくね!…えぇっと、なんて呼べば良い?お兄ちゃん?それとも奏って呼んだほうがいいかな…?」
「…。」
えっ…
今、にらまれた!?
「おまえ、ごちゃごちゃうるせーよ、チビ。」
はあぁぁっ!?
チビっ!? あたし!?
あたしですか〜!?
「もうっ、奏ったら…。ごめんなさいね、倭呼ちゃん。奏、照れてるのよ、倭呼ちゃんがかわいいから。」
「なっ!?何いってんだよ母ちゃん!!!」
何なのこの奏ってひと…。
だいたい身長あたしとほとんど変わんないじゃんっ!
絶対やってけないっ!!!
ってゆーか…、ちょっとトキメいたあたしがなんか恥ずかしいよ…。
はぁ、もうっ…。