メロンの甘い遊び
今日はネットリ黒いです(^^;)
「そうですか……竹内さんの今日の勤務が１４時までだったのが救いですね」
大して役に立たないくせに偉そうな女子社員が……電話の向こうから“ハケン”に対するイライラをチリッ！と言の葉の隅に載せてこちらへ寄こす。
いいのよ。恵まれないあなた達のヒスなど、大らかに受け止めてあげる！ 既に『安定』と『有閑』を手にしている私は『勝ち組』！！
今日だって午後はカレとの逢瀬を楽しむつもりだったのだから……
大輝くんを味わえないのは残念だけど……仕方ない！週末は“ヘタな”ダンナでお茶を濁そう。
私は薄くファンデがくっついたスマホの画面を拭いて大輝くんにメッセを送る。
『ごめんなさい<m(__)m> 咲茉がお熱で今日はお肉（絵文字）に行けない……(/_;)』
因みにいつも御用達にしているラブホの名前が『シャトーブリアン』と言うので、カレにはこの絵文字で通じるのだ。
さて、しばらくは『良妻賢母』いたしますか！
◇◇◇◇◇◇
今日の午後の逢瀬の為に予め準備万端整えて置いたので、あっという間に今日の家事ノルマはこなし、次の逢瀬に備えての“準備”もサクサクとこなした。
咲茉がまとわりつかないとこうもはかどる物なのか……
『学童保育って小学校に上がれば利用できるのかしら』
おでこの冷えピタを取り替えて……ぐずる咲茉をあやしながら、私は指折り数えてみる。
うん、我慢できる年数だ！
カレもまだ……結婚まではしていないだろう……
でも、そろそろカレ以外の“アマン”も必要かな……
そんな事を考えながらお茶しているとピンポーンとチャイムが鳴った。
モニターを覗いてみると、生真面目を装った大輝くんが映っている。
「鈴木と申します。ご主人からの依頼で書類をお持ちしました」
私はこの“猿芝居”にコロコロ笑いながら応える。
「ハイ！ ご苦労様です」
◇◇◇◇◇◇
カレの足元にスリッパを置いてあげると、踏み出した足には……このあいだ私があげた靴下が履かれている。
こういう所が可愛くて
好き！
でも口では怒ったフリだ。
「ルール違反はダメでしょ！」
「オレ、好きな人へ辿り着く道は決して忘れないんだよね！ それに咲茉ちゃんのお見舞いに来たんだから大目に見て」
「もう、しょうがないんだから！」
と、カレに軽くキスする。
「仕事、大丈夫なの？」
「もちろん、今日の午後は予定無し！」
「今日は咲茉がお熱で……ごめんね」
そう言いながらやっぱり私はスーツのお尻にいたずらしてる。
中々の手触り感だ。
「いいスーツ、着てるじゃない！ さては若い子とデートするつもりだったな？」
「そうだよ！」
「妬けるなあ～」
「自分自身に？」
「何よ！それ！」
「みのりさんの為におめかしして来たんだぜ」
臆面も無くこんな事を言うヤツが……私は好きだ！！
「お見舞いにメロンのアンブラッセを買って来たよ。咲茉ちゃん好きでしょ？」
「ありがとう！でも、ゴメンね～。これブランデーでマリネされてるから今日はダメだよ」
「そっか、じゃあ咲茉ちゃんにはメロンショートで我慢してもらおう！ 咲茉ちゃんは？」
私は蠱惑の微笑みでウィンクする。
「薬が効いたみたい。今はぐっすり」
「じゃあ、咲茉ちゃんが寝ているうちに証拠隠滅しなきゃ！」
「どこで？」
「みのりさんの匂いがいっぱいのシーツの上がいいな」
「しみついているのはきっとダンナの体臭よ！」
「いいよ、オレ、タップリと“自分”をマーキングするから」
カットしたメロンの両端をおのおの咥え、齧りあいの競争をして最後はお互いの舌を味わいつくす。
“器として”くりぬかれたメロンを“サイズの合わないブラ”にして……お互いの胸に“当てっこ”する。
邪気たっぷりの甘い遊びの行きつく先は……シーツを汚して、お互いがお互いのマーキング
カレとゆっくり遊び尽くしても
『ダンナが帰るまでの証拠隠滅』には充分過ぎる時間がある。
ただ、私のカラダに残ったカレのマーキングは消えないから……
週末のダンナいじりは無しだな。
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