表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/31


「それにしても……醤油とか味噌って熟成期間とかあったような気がするから1ヶ月かそこらで出来ないと思うんだけど……」

「死にゆく人には期間が足りないってことですか?」

「そう。それに手作りだと保存をしっかりしておかないとカビが生えて使い物にならなくなるし」

「そうなんですか?何も考えずに店の奥にある自宅に置いていましたが、味は昔と変わらずずっとそのままですよ」



 3人で「うーん」と考え込むがどうしてそうなったのかがわからない。それこそ魔法でもあれば話は別だが……



「フレイの先生ってすごい人だったんでしょ。実は魔法使えたりしなかったの?」

「え??いや、聞いたことないですし、少しでもそんな話が広まれば大変な事ですよ」

「だよねぇ」



 確かに魔法が使えてたらわざわざ公務員で働かずとも、もっと良い職業に着けそうな気がする。それこそ国王直属の護衛とか。あの横柄な衛兵よりずっと良い側近になりそうだ。

 ならなぜ味噌や醤油を腐らせず短時間で作ることができたのだろうか。味噌や醤油が10年以上味が変わらず風味を保つものなのだろうか。



「そう言えば、僕も聞いたことがあるんです。でも、前店主もできないらしくて」

「できない?作れないじゃなくて?」

「そうなんです。味噌も醤油も奥さんしか」



「それにしても……醤油とか味噌って熟成期間とかあったような気がするから1ヶ月かそこらで出来ないと思うんだけど……」

「死にゆく人には期間が足りないってことですか?」

「そう。それに手作りだと保存をしっかりしておかないとカビが生えて使い物にならなくなるし」

「そうなんですか?何も考えずに店の奥にある自宅に置いていましたが、味は昔と変わらずずっとそのままですよ」



 3人で「うーん」と考え込むがどうしてそうなったのかがわからない。それこそ魔法でもあれば話は別だが……



「フレイの先生ってすごい人だったんでしょ。実は魔法使えたりしなかったの?」

「え??いや、聞いたことないですし少しでもそんな話が広まれば大変な事ですよ」

「だよねぇ」



 確かに魔法が使えてたらわざわざ公務員で働かずとも、もっと良い職業に着けそうな気がする。それこそ国王直属の護衛とか。あの横柄な衛兵よりずっと良い側近になりそうだ。

 ならなぜ味噌や醤油を腐らせず短時間で作ることができたのだろうか。味噌や醤油が10年以上味が変わらず風味を保つものなのだろうか。



「そう言えば、僕も聞いたことがあるんです。でも、前店主もできないらしくて」

「できない?作れないじゃなくて?」

「そうなんです。味噌も醤油も奥さんしか作れないらしい。作り方が分かっても作れないだろうって」

「なんでだろう……」

「前店主は奥さんは特別って言ってました」



 流石に味噌や醤油を作ったことがないのでわからない。作り方を教えれば作れないことはない。だとしたら保存に特別なことをしているか、短時間で作れる作り方があるのだろうか──。

 奥さんが特別とはなんのことなのだろう。普通に作れるだけなら特別と言う言葉は使わないだろう。



──スキルを獲得しました



「痛っ!!」

「どうしました?!」



 突然頭痛と共に頭に声が響く。どこかで聞いたことのある声。頭痛はすぐに治ったが声だけが頭に残っている。

 ──スキル。そのスキルを使えば味噌や醤油を作るのも造作もないのだろうか。私も味噌や醤油が作れると言うことか……いや、作り方もわからなければ、何をしたら良いのかもさっぱりだ。



 なんか気分が悪い。私はカムイにお礼を言い先にお暇させてもらう事にした。

 やはりこの街にも温泉はあるようで汗を流しにフレイと温泉へ向かう。まだ時間が早いこともあってか誰もいない貸切状態だ。お湯にゆっくり肩まで浸かり自分の手をじっと見る。



 ──違う。私には味噌や醤油は作れない。なぜだかわからないがそう思う。なら……私に出来ることはなんなのだろう……。

 いくら考えても分からない。ちょっと長く温泉に浸かりすぎた。私は湯あたりを起こし風呂から出ると気を失ってしまった。



「ここは……」



 目を覚ますと宿のベットに寝ていた。おかしい。私お風呂から出て──そこから記憶がない。布団を捲るとちゃんと寝巻きを着ている。まさかフレイが着せてくれたのだろうか……。想像すると顔が熱くなる。きっと真っ赤になっているだろう。

 そんなことを考えていると、部屋のドアが開きフレイが入ってきた。



「目が覚めたんですね。よかったぁ」



 フレイは持っていた水差しをテーブルに置くとコップに水を注ぎ持ってきてくれた。



「ん、まだ顔が赤いですね」



 水を渡されフレイの女性のような細く柔らかい手が額に触れる。私の顔はさらに赤くなり、渡された水を一気に飲み干した。



「びっくりしましたよ。なかなか出て来ないから受付の女の人に見にいってもらったらカンナさんが倒れてるって聞いて……」



 結局、その後私はその女性に体を拭いて寝巻きをいせてもらってフレイに引き渡されたらしい。なんて恥ずかしい……。次行った時にお礼を言わなければ……。

 


「あまり無理はしないでくださいね。最近いろんなことを背負い込みすぎですから」



 フレイは頭を撫でながら心配そうな顔で見つめる。そんな顔させたくないのになんで上手くいかないのだろう。私は「うん」と小さく頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ