クラスメイト
「おっす!澪っち」
「よう、颯太。春休み空けの朝から元気だな」
澪にそう話しかけるのは、茶髪にはねた髪の毛で少しちゃらめだが、人懐っこい笑顔をする空松颯太で澪のクラスメイトである。
「何言ってんだよ!今年から俺っち達は2年生に上がって今日がついに!後輩が出来る日だろ!」
「かわいい子いるかな~」鼻の下を伸ばす颯太
「またそれかよ。この前も合コンが~とか言ってなかったっけ?」
「ちっちっち、甘いぜ澪っち、俺は常に前を向いて生きているのだよ」
「つまりダメだったのね」内心呆れながらも2人で歩く。
2人はたわいもない話をしながら東能学園2-Cの教室へ入る。
「おっはよ~2人ともこっちこっち!」
教室に入った途端、澪と颯太を呼ぶ声。そこには3人の女子生徒達。
「おはよう花蓮。どうかしたのか?」
「今日は入学式だから去年みたいに“極”が来るかもしれないって噂なのよ!」
そう興奮しながら話すのはショートの栗毛にスラリとした体形で、日焼けの跡から活発さが伺える少女、高野花蓮である。
「へ~」「へ~、って澪は興味なさすぎだよ!」
「俺は“芽なし”だからさ関係ないよ」
「澪だって極の方々に指導してもらえればまだ分からないじゃない!」
「そもそも、軍に入りたくない…アニメ見て静かに暮らしたい」
「でた、澪の平穏主義、あたしは国防軍に入って炎極の焔様の元で働きたいわ~」
「何言ってるのよ!凍極の冬馬様のあのクールなところに冷たい目が一番いいんじゃない♡」
花蓮の言葉に割り込んでトリップするのは篠崎美羽
。
少し緑がかった髪色にボブで丸い眼鏡が委員長の様に一見真面目そうに見える少女だが、今はだらしなく顔が歪んでいる。
「あれ?桜は虚極様押しなんだっけ?」と花蓮が残りの1人の少女に話しかける。
「うん、昔異獣に襲われたときに助けてもらったことがあってそれが後で虚極様だって分かったの。お礼を伝えたいんだけど、“極”の中でも虚極様はどんな人かも分からないでしょ?」
と桃色のロングヘアーに10人中10人が美人と答えるだろその整った容姿、そして何より制服を押し上げる程の胸部装甲の持ち主である、皆瀬川桜が答える。
「俺っちは何といっても誘極の紫香様だな!あのセクシーさはもうたまらん...」
女子3人から白い目で見られていることにも気づかない颯太。
この5人は1年次から同じ小隊として授業や任務をこなす仲間である。
他のクラスメイト達も極についての話題でガヤガヤと盛り上がっている。