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日常
「あぁ~平穏な日常って最高だな~」
「将来は絶対普通に働いて普通に暮らすんだ」
と独り言を呟きながら歩く制服姿の少年 戸田澪は、今日から2年生として通う学園、東部特別異能開発高等学園、通称“東能学園”へと歩を進める。
「春休みなんて一瞬で終わってしまった…」
身長も178㎝と高めで、普通にしていればイケメンの部類に入るその容姿も
少し長めでぼさぼさの白髪に、やる気のない死んだ目がそれらを台無しにしていた。
学校が近くなるとチラホラと澪と同じ制服姿の学生たちが姿を見せ始める。
「ほら、あの人が噂の…」
「あの“芽なし”の…」
「理事長の隠し子らしいって噂の…」
ひそひそと同じ制服を着た東能学園の学生たちが噂する。
(早く家に帰ってアニメの続きを見たい...美少女戦士プリシアちゃんが俺をまってる!調子に乗って深夜まで見過ぎて眠いな...)
そんな噂をされる中、澪は我関せず頭の中はアニメのことでいっぱいだった。