いつものままで
まじやばくねー?
「おはああああようふぅー」
「随分と眠そうだな」
「そんな事ないっすよ先輩」
「誰が先輩だよ」
登校時、玄関を出て直ぐに会う。
隈を身に付けて今日は一段と眠そうな君は、眠いながらもボケをかましてくるけど、そんなボケにいいツッコミを入れる事もできず平凡に返す。
「なんか、歳上って憧れるくない?」
「そうかな?でも急にどうしたんだよ」
「いやーさ、最近流行りの漫画読んだんだわ、そしたらとあるシーンでさー、マジきゅんしちゃってさー…」
君の口調に気を取られて、それ以上は漫画の内容が入ってこなかった。
「急にどうしたんだよ…」
「まじやばくねーー」
「ギャルは好きじゃねーよ」
「え、じゃあ…」
頼んでもない事を勝手に真似ている君にそう言うと、君はどこから持ってきたのか、黒い髪ゴムを制服のポケットから二つ取り出した。
何をするのかと、黙って君のことを見ている僕。
君は両サイドの髪をバランスよく纏めて髪ゴムを使って器用に縛った。
「本当にどうしたんだよ」
「なにー?私が少し髪型変えたくらいで何をそんなにきょどってんのー?えー?惚れてんのー?
もしかして、図星ぃ?兄貴のくせに、だっさぁい!ざぁーこざぁーこ…これはどう?」
「いや、そう言う事でもねーよ」
「え、じゃあ…」
「もういいよ、いつもの君で」
「あ…はいっ、そうですか。はい、」
縛った髪を解いて、いつもの君。
それが良い。
ざぁーこざぁーこ!




