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僕と君の日常サスペンス  作者: 秋乃しん
14/17

会わない合わせない

んふふふふ!


 いつもの登校。でもそれはいつもより早い時間。

朝玄関を出て、君がいないことを確認する。

僕は一人のまま学校へ向かって歩き始める。

 学生の敵であるテスト期間も開けて、夏休み前になって浮かれている生徒達とは裏腹に、僕はあまり夏休みと言う学生にとって特別なイベントに興味もなくて、君に会う日数が減るだけだ。そう思っている。

別に君とは会わなくていいのだけれど、面白い日々がなくなることに不満があるだけ。だからこそ、今日という日はイレギュラーに君との登校を拒んだ。

長期休み前に自分から面白い出来事に遭遇したかったのだ。そして、その『面白い出来事』と言うのは、いつも一緒に登校している僕が君を置いて先に登校したことに対して、「君がどんな反応を見せてくれるか」と言う性格も人格も捻くれているような期待から。


「流石に悪趣味だよな」


日差しが照りつける中で、暑さにやられながら罪悪感と共に君を期待している僕は、言い逃れようのない悪趣味な奴だ。

暑さと罪悪感との葛藤の末に、長く感じた道のりを終えて学校の門をくぐって、まだ人の少ない自分のクラスに入った。

ただ、「もしかすると」なんてことを考えたけれど君の姿は無く、クラスは僕以外に誰もいない。

静かな教室内で、自分の席に着く。小さなため息をついて作戦が順調なことを想像しながら開いた窓の外を見て笑みを浮かべてみた。


ガラガラ。


僕が入って来た教室のドア。閉めたそのドアが開く音。反射的にそちらへと目を向ける。

僕以外にもこんなにも早く登校している人がいるなんて思わなかった。少なくとも小さな挨拶くらいしようと、声が漏れた瞬間だった。


「あはよ…え、なんで?」


「おはようー」


僕の作戦を台無しにした君は相変わらずの眠そうな表情でも無く、「してやったり!」と言わんばかりのドヤ顔を決めていた。


やっぱり僕は君と合わない。


ふんんんん!

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