3.知らせ
2150年3月中旬のこと。
「僕が学院に、ですか?」
「ああそうだ。お前もそろそろ同い年の子とも交流を持つべきだろう。今までは戦場ばかりで大人に囲まれていたからな。あの方以外で同い年の奴と話をした事もないだろう?」ニヤリとしながら日本軍長官が言う。
「失礼な!い、妹とも話してますよ!」
「何動揺してんだよ。それにそれは家族なんだから当たり前だろ? 取り敢えず一度前線から引け。休む事も必要だ。女の子との交流も必要だ。」
ホントに腹が立つ顔だ。
「わかりましたよ、でもどこの学院にそれも入学試験はどうするんですか?もうその時期は過ぎているはずでは?」
そう今は3月。基本的に日本では昔から2月頃に試験が行われ、4月に入学式という流れが一般的だ。
「心配するな。お前はアールスハインの特待生で既に書類は提出している。だから後はお前の準備だけだ。」
全く、いい性格をしている。今の今まで学院に通うなんて話知らされていなかったのに。それもアールスハイン学院とは日本いや世界中で見ても屈指の学院だ。世界中からここで学ぶために留学してくる生徒も多い。
しかもその学院の特待生だ。基本的に注目を浴びるのが嫌いな凛夜からすればあまりいいものではなかった。
が、このジジイは組織の中でも知られる程の頑固ものだ。一度言い出したら中々聞かない。
はぁ、とため息が出る。
「幸せが逃げるぞ」と笑いながら言う。
「誰のせいだよ誰の!」
凛夜はこれから始まる波乱に項垂れながら想いを馳せたーーーー。