ラノベ主人公式の自己紹介?
勝ち取りたい!物もない!
────僕の名前は、仁戯 離岐。
柳沢高校に通う、高校二年生だ。黒髪黒目の、至って普通?の日本人だ。アニメキャラのように特徴的な髪型をしている訳では無い。見事な程にサラサラヘアーだ。
日々、なんだかんだあるけど何とか生きている。
「キャー!助けてー!」
やれやれ、今度は何があるのやら…
あっふーん(察し)
最近は、さっきみたいな挨拶が流行っているらしい。
確か、『ラノベ主人公方式』だとか。妹が言ってた。
うん、ちょっとイキってるっぽいな、これ。
でも、現実逃避にはなるから便利かも。
「助けてってば!そこの少年!」
でもまぁ、妹に
「お兄ちゃんはラノベ主人公になって!でもテンプレ通りにはならないでねっ!」
なんて言われてるからな。訳が分からないよ……
いや、あいつ「私は神だ!」って幼稚園児のときからずっと言ってる天然少女だが、「神力発動ッ」とか言っていろんなことを的確に当ててくるんだ。
俺の学校で誰々が付き合ってるとか、来週発売のジャン〇の内容だとか、もうすぐあの芸能人が結婚するからきっと一悶着あるよ…とかとか。
「助けろっつってんでしょうがぁ!」
だから、下手なことすると「テンプレ兄者に制裁を!!」なんて
言いながら、帰ってきて玄関開けた途端にライダーキックとかかましてくる。
その時の映像がこちらでございます。
「ジェノサイド・キィィィィックッ!」
「逃げるんだぁ、勝てるわけがないよ」
「二段ジャンプがあるので)ダメです」
「嘘だドンドコドーグばベッ 」
こんなの絶対おかしいよ(小並感)
ふぅ、もちつけおちけつ平常心だ。
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー……
OK、余裕。俺は大じょu「あの、助けごふッ」
「嫌です」
「なんで!?可愛いお姉さんが殺されそうなんだよぐふっ!」
「いや、さっきから避けても逃げても蹴られながら這い寄ってくる来る変人はちょっと…」
「仕方ないじゃん!けほぉって見てたんかいな!」
「でもって、その人達絶対カタギの人じゃないでしょ、近ずかない方が良い感じじゃん」
「助けてくり〜〜」
僕が喋った途端に、そのこわ〜い人達に睨まれた。解せぬ。
あ、ちなみにその人達は合計5人なので多分勝てない。おそらくきっとメイビー。
「ぎっ、とりあえず助けてっ、いい加減死んじゃう!」
「えぇ、何故かめちゃくちゃ大丈夫そうだし悪女っぽいから嫌なのに……一応助けるけどさ」
「やったぜ」
ってかただの学生に助けを求めるなんておかしいだろ。藁にもすがる思いってか。
「いっちょやってみっかぁオォラわぁくわくすっぞぉ」
「あ?やんのか?」
「舐めてんじゃねえぞおい?」
「やっちまえ!」
「そう言えばアバラが、アバラが折れたかも〜」
ていうか、ここで暴れるか?普通。
ここ小学生の通学路、しかも丁度通学時間だぞ?とりあえず、
「待て、ここじゃダメだ」
と言っておく。子供が見たら教育に悪いからね。
「ケッ」
「呼吸器に異常がぁ…あれ、大丈夫かも」
よし、動きが止まった。多分根はいい人なんじゃないかな。知らんけど。
と、そんなこと考えてる場合じゃないか。
「僕の必殺技を喰らって貰おうか?」
「えっ、ここじゃダメなんじゃ」
「痛いな〜なんたでだろーなー」
「必殺……!
お巡りさぁぁぁぁぁんこっちでぇぇぇす!!」
「……はっ??」
「えっ??」
「痛いよ〜」
「おじちゃん達何してるの〜?」
静寂が訪れた。(一部を除く)
ゴロゴロ転がってる女性、どう見てもカタギじゃなさそうなおっさん達、ただの学生。そして通りすがりの幼女。ランドセルが初々しいぜ。
……幼女?
「君たち、何をしている!(裏声)」
やっと来たか(棒読み)
「お巡りさん、こいつら!」
「なんでサツが来てんだよっ」
「フッ、こっそり呼んどいたのさ!」
「ねぇねぇおじちゃん、どうしたの?飴舐める?リコーダー舐める?」
純真な奴らで助かったぜ。裏声で勘違いしやがった。でもこの距離で勘違いするなんておかしい…おかしくない?
「くっそ、ハメやがってっ」
「殺人容疑、及び幼女の誘拐容疑で逮捕する!(裏声)」
「ずらかるぞ!」
「待てぇ!(裏声)」
「覚えてろよお前!」
うん、万事解決。
それはそれとしてこの状況は普通の高校生にはありえんと思うが……ま、いっか。
「やっぱり痛いような…そうでも無いような…」
「はんかちいる?」
無力な馬鹿にはなれない!