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小説のように誰かが助けてくれるわけもない。

作者: 横山裕奈

 塾から帰るのは大抵、夜の10時。普通に歩けば15分、自転車で7分の道を20分かけて歩くのが、私の日課。夜道は危ないと言われつつ、まだ事故や事件に遭ったことなんてないから、いつも通りに街灯のない裏道を行く。


 瞳が揺れる感覚がする。いつだって突然で、人がいないときだ。たぶんだけど、疲れたとき、つらいときにこうなる。周りが見えづらくなるし嫌いだ。どうせストレスを感じているなら、もっと分かりやすく吐いたり倒れたりしたらいいのに。

 私の体は変なところで丈夫で、そうなったことがない。ただひたすらに眠たくなって、休みの日ならいつまでも眠る。それがどうも親の目には、さぼっている、だらけていると映るようだけど。


 ストレスの原因ってなんだろう。

 高校でいい成績を取らないとって不安と、気負い。

 ますます面倒になっていく家庭環境。

 仲良くしてたネットの友達との折り合いの悪さ。

 大好きなクラスにはもう戻れないこと。

 塾では授業のシステムが変わって、みんなと話すのが減ったこと。


 なんだろう、誰もが抱えるストレスだ。大人になればもっとストレスもかかるだろう。大人はどうやってストレス解消してるんだ。

 分かってる、どこにでも転がってるストレス1つで騒いでること。それでも私の目はなにも移したくないという風に突如揺れるし、何日でも何年でも眠っていたくなる。


 小説を書くのは、こんなつまらない話を書きたいからじゃない。別に誰かに届けようとしているわけでもないけど。ただ自分の好きなことを書きたかっただけだけど。それでも、こんな風に愚痴を言うためじゃない。

 弱音の吐き方なんて知らない。親に吐いてみたこともある。でも、私の方が大変なのに、あんたは育ててもらってるのに。そう返されて、もう諦めた。全部諦めたら楽になるかなって、何年も心を閉ざした。


 それなのに、中学校2年生で、私は最高のクラスに入ってしまった。そこから、私は感情を隠せなくなった。人付き合いなんて面倒でしたくなかったのに、そのクラスのみんなはずかずか踏み込んでくる。行事だって本気でしたくなかったのに、ぐいぐい引っ張って、結局私を泣かせるし。楽しむだけ楽しんでしまった私が、もう一度心を閉ざせるわけもなく。


 人との距離感だって未だに分からないのに。どこまで近づけばいいのか。それが分からない。嫌われたくないって思っている相手ほど、近づきすぎていつか愛想を尽かされる。そうしてますます、嫌われないように足掻いてもがいて、嫌われていく。


 パソコンのキーを叩くことでしか語れない私は、今後どう生きていこうか。これだけの文章を語ることはできない。でも書いてる。こんな矛盾した私は、いつか爆発して、吐いたり倒れたりする前に、命を投げ出すんじゃないだろうか。

 ああ、もう面倒くさい。もう考えたくない。考えたらつらい。


 すべてに蓋をするため、私は揺れる瞳を押さえつけるように瞼をきつく閉じる。

時間を無駄遣いさせてごめんなさい。普段はこんなアホみたいなクズ文章よりはマシなもの書いてます。

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