表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/194

紬さんの生存日記13





 八十六日目


 昨日の晩から降り続いた雨のおかげで拠点に作った溜池に水が溜まりました。


 これで農作業に使うための水の目処がついてほっとしています。


 今日はこれから排水用の水路でも作ろうかと思っています。


 これくらいの降水量なら問題ありませんが、これ以上の量の雨が降ってしまうと溢れたりして農地に流れて作物に悪影響があるかもしれませんからね。


 備えあれば憂いなしということで、できることから前もってに準備しておこうと思います。




 

 八十八日目


 今日も今日とて拠点整備に邁進しました。


 以前から岩場の影で育てていた植物も新たな農地に移植完了。


 これでわざわざ岩場まで足を伸ばさなくても世話ができるので、だいぶ楽になりました。





 九十日目



 ここ数日は魔法の練習や拠点の整備に、農地のための作物となる植物を樹海に入って探すといった代わり映えのない日々を過ごしていました。


 ですが今日はいつもと違っていました。


 というのも本日は今まで行ったことのなかった、島の東側へと探索の範囲を広げたのです。


 以前に五号の目で空から確認した限りでは、東の樹海を進んでいくと湖が存在していて、そこから河が流れているのだと知っています。


 ただ、水辺であるためにそこを利用する生物の数も多いようなので、対策を講じておかなければ危険だろうという理由で、私は東側の探索は後回しにしていました。


 ですがサラマンダーから得た種のようなものを取り込むことで魔法を手に入れた今であれば、よっぽどのことがなければ大丈夫じゃないかなと思った次第でございます。


 そんなわけで未知の領域へと足を踏み入れたのですが、湖にたどり着く前に私はとある存在と遭遇してしまいました。


 まあ、遭遇したといっても直接出会ったわけではなくて例のごとく動かす魔法で作った望遠鏡で遠目に確認したというのが正しいわけですが……。


 その姿を見て私の頭に浮かんだその存在の呼称。


 それは人面樹。


 今日私は自分以外では初めてとなる植物の異形の存在を見つけたのでした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ