溜池
新たに作った農地に必要なもの。それは水だろうと紬は考えた。なので水を溜められるものとして溜池か貯水槽のようなものを用意しようと思っている。
以前の実験からカルデラ湖の水では普通の植物は育たないということが判っている。水を生成する魔法で作った水も同様であった。周囲の木々を倒した時に魔法で作り出した水を浸透させていたために、倒した木々はすでに枯れてしまっている。
そんなわけで農地で植物を育てようとするのならば魔素が含まれていない水を用意することが望ましい。そうなるとどこからか水を引くか雨水を溜める必要が出てくる。
近くに引っぱってこれるような川は見つけれていないので、必然的に雨水を溜める手段が良さそうだなと紬は思った。
方向性が決まったところで紬は魔法の練習がてらに溜池を掘り始める。
掘るといってもスコップなどで掘るわけではない。べつに窯を作った時と同じようにスコップ使ってもいいのだが、今回は農地を耕すときに使ったのと同じ手法を用いようと思う紬だった。
水を生成する魔法で作った水を溜池の予定地に染み込ませて泥状にし、バロメッツの動かす魔法で土ごとごっそりと別の場所に動かしてしまうという方法をとった。
あとは雨水を逃さないように底や壁に手を加えていく。
雨水が滲み出るのを防ぐために樹液を薄く広げてシート状にしたものを敷いて貼り付けた。こうすることでそのまま雨水を溜めるのに比べれば、いくらかマシとなることだろう。
あとは溜池の周りの地面に傾斜をつけるなどして調整し、雨水が溜池に溜まりやすくなるようにもした。
あとは雨を待つだけであるが、その前に不備がないかを確認しておくことにした紬。
水を生成する魔法とバロメッツの動かす魔法を合わせて使い雨を再現する。
そうすることできちんと水が溜まっていくかを確認した紬は、自分の作った溜池の出来に満足した。
見た限り崩れたり水が滲み出ることもないようで安心した紬。
溜池に直接降りそそぐ分だけでなく、周りに降ったものも傾斜を伝って溜池へと流れていく点も良く出来ている。
一通りの確認が終わったその頃に、魔法で作って溜めた水は光へと変わり消えていくのだった……。




