紬さんの生存日記12
七十九日目
今日はサラマンダーから得た種のようなものを取り込むことで使えるようになった浮き上がる魔法……浮遊魔法について調べてみたのでそれをまとめようと思います。
浮遊の魔法を使うとどうなるかというと地面から数センチばかり浮かぶことができます。あ、浮かぶことができるのは羊たちだけです。流石に植物本体は根を張っているので浮かんだりはできません。
前世で言うところのホバークラフトのように浮かび上がり、ホバー移動ができるようになる魔法です。
ホバークラフトのようにと書きましたが見た目においてそのように見えるというだけで、風を噴出させて浮かんでいるわけではありません。魔法的な力でスイーッと滑るように移動できます。
この魔法の利点はいくつかあります。例えば地面に脚が着いていないことでのメリットがいくつか。
小さな障害物を無視することができたり、足音がたたないので気づかれずに接近したりといった行動の補助にもつかえそうな感じですね。
そうそう、ホバークラフトといえば平坦な場所であるならば地上・水上・雪上を問わず進むことができる乗り物ですが、この浮遊の魔法でも同じようにできるのかと疑問に思ったのですよ。
なのでカルデラ湖を浮遊の魔法で渡ることができるのか実験してみたのですけど結果は失敗。あくまで地面から浮くだけで水上には今のところ対応できないようでした。
今後この魔法を鍛えることで水上移動にも使えるようになることに期待しておくことにいたしましょう。
鍛えることで浮かぶことができる高さが変わったりというのもあるかもしれませんし、練習すれば地面だけでなく壁に対して垂直に立つことができたりすれば面白そうですね。
そんな浮遊の魔法ですが、その能力を割り振る羊は若草色の四号になりました。
理由としては隠密行動に使えそうだから、という単純な理由です。樹海での行動において保護色となる若草色の毛色と浮遊の魔法で音もなく移動できるようになれば探索にも便利だろうと思ったわけですね。
しばらく四号は蜘蛛と出会ったエリアとは別の方角のエリアでいろいろと試していこうと思います。