測定
羊たちのは全く同じ体格をしていわけではなく、それぞれ少しずつ違っている。
一番体格が良いのは白色の一号だ。一番最初から居る最古参であるために様々な場面で活躍しているためなのか、最初の頃よりも鍛えられ身体が引き締まっている印象もある。地面から肩までの高さ、つまり肩高は百三十センチメートルほどだった。
残りの羊たちのうち同じく樹海に行くことが多かった黒色の三号が百二十センチメートルほど。若草色の四号はサラマンダー監視のために今この場にいないために後日図る予定であるが、だいたい三号よりも少し低いくらいだ。
黄金色の五号と八号は翼があるせいで測りづらかったがともに百十センチメートルを超えている。
銀色の六号と虹色の七号は肩高百センチメートル。空色の九号は少し小柄な八十八センチメートルほどだった。
体重は基本的に体格順に重かったが翼が追加されてある黄金の五号と八号が何故か逆に他の羊たちよりも軽い体重で驚いた紬であった。
身体測定の結果はこのような感じであったが、能力測定もやっておこうと考えた紬。
といっても走るのが速いのがどの羊かを調べる程度だ。
羊たちをスタートラインに並べ、同時に走らせて百メートル走を行う。
時計なんてものがないので同時に走らせでもしないと比較しづらいということがあるのでこの方法である。
一応秒数を数えてはみるがあまり正確には測れないだろう。
そして実際に走らせてみたところ、百メートルをだいたい七から八秒ほどで駆け抜けた。
やはり速かったのは樹海探索組。一号と三号が速かった。
一号は七秒をきって六秒台だったかもしれない。
ちなみに同じ距離を五号に低空飛行で飛んでもらって測ったところ五秒ほどであった。
これらのスペックが普通の羊と比べてどうなのかは紬にはわからないが探索組のスペックが他のものよりも高いことは判った。
このことから言えるのは、鍛えることでも能力を伸ばすことが可能だということだろう。
ただ時間に任せての成長だけではここで生きていくのには不十分だ。ならばしっかりと身体を鍛えていくことで過酷な環境でも生き残れるように少しでも努力することを紬は改めて心に決めたのだった。