基準
察知の魔法については追々検証することにして、せっかくほとんどの羊たちが一箇所に集まったのだからと身体測定を行おうと思いついた紬。
たしか最初に羊たちのスペックを測ろうと考えたのは黄金の羊である五号が群れに加わった頃だったかしらと紬は思い出していた。
その時はたしか重さや長さの基準が無いとよくわからないよねなどと思考がそれてしまってスペックの確認に至らなかったはずだ。
今回も基準という点については未だに曖昧だが、以前から試作していた物を使おうと思った。
例えば一キログラムは一リットルと考える。次に一リットルは一方十センチメートルの立方体の体積だ。
ということで長さの単位の基準となるものを作ってみた。
具体的な方法は立体印刷で使っている樹液を可能な限り薄く伸ばしたものを作り、それを重ねていくことでおよそ一ミリの厚みになるようにした薄板を作る。
さらにそれを十枚重ねて一センチの厚みにとして、これを何枚か同じように作り、紬の記憶と作ったものの平均を比較して一番本当の基準に近いだろうというものを採用した。
あとはそれを基準に立体印刷で基準測定用の物を作っていくだけだった。
一方十センチメートルの立方体が収まる箱を作り中にカルデラ湖の水を入れて一リットルの水塊を測ったり出来るようにしたわけだ。
このままだと箱の重さもあるので正しくない。
なのでバロメッツの動かす魔法で箱の中のカルデラ湖の水だけを浮かせて取り出して、これまた立体印刷で作った天秤に移す。反対の皿に重さが吊り合うように樹液を載せていって最終的に一キログラムの基準となる樹液のブロックを作った。
こうしてとりあえずの長さと重さの基準は作った。
これらの基準を利用して羊たちのスペックを測ろうと紬は準備にとりかかった。
昨日は休日出勤から帰って書く前に寝落ちしてました……。
今日中にもう一話投稿できるようにするつもりです。