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動かせるもの



 バロメッツの魔法を動かす魔法だと意識してから数日が経過した。


 未だに魔法の使い方というものはいまいちわかっていない。


 しかし、自分が魔法を使っているのだと意識してからその効果は高くなっているのは感じられた。


 例えば葉力。


 以前までは葉っぱを動かすことのみであったが、今では葉っぱを宙に浮かせることが可能になった。


 これにより軽いものならば葉っぱで掴んで動かすことが可能となった。


 魔法で動かすことが出来ない物も間接的にではあるが魔法で動かすことができたわけだ。


 バロメッツの魔法で動かすことが出来る物、出来ない物とがある。その差についてここ数日考えていた紬。


 とりあえず紬が出したその差の答えは、魔法に必要な物質が関わっているというものだ。


 魔法に必要な物質……ようは魔法の(もと)、紬は仮称として魔素と呼ぶことにした。


 カルデラ湖の水に多く含まれているだろうと考えている物質のことだ。


 なぜ湖の水に魔素が含まれているのかなんてことは判らないが、その水を長いこと取り込み続けた身体にはたっぷりと魔素を貯め込んでいるのだろうことは予想できる。


 その貯めこまれた魔素が魔法に必要な要素であり、バロメッツの魔法は自身が関わった魔素を持つものを動かすことが出来るというものだと紬は考えている。


 自身やそこから切り離したものなどは比較的動かしやすいことが判っている。


 では魔素を含んでいるとなれば、湖の水はどうであろうか?


 当然紬はそこも試した。


 結果はといえば何もしていない湖の水は動かすことができなかった。


 しかし、手を加えたものは別であった。


 葉力で包み込んでしばらく時間をおいた湖の水、それを動かすことに紬は成功したのだった。

 

 まだまだ自由自在とは言えないが、練習を重ねればスラスラと文字を書けるようになった茎と同じように、意のままに操ることも可能だろうと紬は思っている。


 動かすことができる範囲もまだ葉力と同じ範囲までであるが、そちらも習熟か進めば延ばすことも出来る筈だと紬は練習に注力する。


 ふよふよと宙に浮かせる水球の形をかえようと試行錯誤したりするのが最近の日課だ。


 紬はできることを着実に増やしていっていたのだった……。


 

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