増員計画
討論の末に優先度一位は新たな羊の増員。次が農業となった。
生産については樹液を消費しがちな立体印刷は控えて、その分のリソースを羊の増員にまわすこととなった。
東側の探索はいろいろと準備が整ってから。
ひとまずは羊を増員して同時進行できる手数を増やして効率良くいきましょうという考えだ。
そんなわけで蕾に栄養を送り成長を促す。
まえの五号の時にかかった時間よりも遥かに早く蕾が開いた。
六番目の羊は銀色。
以前に願ったとおりの体色である。
この結果から体色は思い通りになるという説はかなり信憑性が高くなったと言えるのではなかろうか。
しかし、その時に願ったのは翼を持つシルバーな仔羊である。
六号には翼はなかった。
翼が無い分五号よりも必要な時間もリソースも少なかったのかもしれない。
黄金の羊でなければ翼は無理だったということなのだろうか?
これは検証の余地がありそうだと紬は次の羊について考え始める。
七番目の羊は虹色になるようにと願いながら、同時進行で八番目の蕾にも手をつける。
今まで同時に蕾を育てることはなかったので、その実験である。
そして八番目は五号と同じ翼を持つ黄金の羊になるように祈る。
七番目と八番目、どちらの蕾も同じようにリソースを注ぎ込み、その差を把握する狙いもあるわけだ。
虹色の羊を選んだ理由は五号の時と同じで珍しく在り得ない色を選んでみた。
七番目というのも紬に七色の虹を連想させた。
そんなカラフルな羊で大丈夫かと心配かもしれないが、最悪探索には出ない常駐の羊としてカルデラ勤務でいいだろうと紬は考えている。
黄金の羊を目指す八号は恐らく同時に育てる七号の蕾よりも成長が遅くなるだろうと予想している。
それでも黄金の羊を選んだのは飛行能力を持つ羊が増えることのメリットが大きいだろうと考えたからだ。
未だに飛行技能の習熟は未熟だ。自由に空を移動出来ているとは言い難い。
高度を上げることは出来ているが、それは真下に居座っている植物本体が受け止めることができるだろう範囲のみだった。
空を駆けようとすると脚が竦む事がある。
飛行できるものを増やして飛行の試行回数を増やして空を駆ける事に馴れていきたい。
吾妻紬は両親を飛行機事故で亡くした過去を持つ。
本人はふっ切ったつもりでいても、生まれ変わり別の身体になった今でもそう簡単には恐怖を忘れきる事はできていないようだった……。
(言えない、自分で書いた設定忘れかけてたなんて言えない…)




