紬さんの生存日記6
七日目
日記をつけ始めて七日、一週間経過です。
未だにこの世界の暦がどうなっているのかわかりませんのでとりあえずは前世と同様に七日で一週間とカウントすることにしておきます。
さて日記をつけ始めて一週間ということは一号が探索に出て一週間ということでもあります。
そろそろ一度帰ってきてもらいましょうか……などと考えていた時に一号が森が開けたところで妙なモノを見つけました。
一号が見つけたモノというのは、ぱっと見普通の切り株です。ソレが、複数。
よくよく考えてみれば切り株があるという話がおかしな話です。
ここには木を切るような人は居ないと思っていたところにこの切り株です。
ただ人が切ったとは思えないんですよね……。
切り株だけが残っているわけでなく、木のほうもその場に手付かずの状態で倒れたままになっていたので。
そうなると材木を取りに来た樵という線はなさそうで、ならば他の生物がこの場の木々を切り倒したというのでしょうか?
その断面は滑らかで野生の動物がこの切り口を生み出すとは信じられません。
というよりもプロの樵でもこの切り口を再現できるのでしょうか?
受け口とか追い口を切るのでこんな真っ平らな切り口はありえない気がします。
どうすればこんな真っ平らな■■キレイな切り口になるのでしょうか?
(……久しぶりに文字が潰れてしまいました。)
それも複数の切り株の切り口が気持ち悪いぐらいに揃っているようなんですよね……。
いざ一号が帰ろうとしたら遭遇したこの疑問。はたして放っておいてよいものなのでしょうか?
帰還を見送り、この現場が作られた理由を解明したほうがよいのでしょうか?
迷っている私の行動を促すかのように少し離れた場所で轟音が響き、木々が倒れるような音が一号の耳に届きました。
これは見に行けということでしょうかね……。
羊としての野生の勘(?)では結構な危険を感じ取っているのですが……。
決めました。今から最大限の注意を払いながら様子見に行こうと思います。
わからないままで怯えるよりはそれを知ったうえで対処を考えていくほうが良いでしょう。
はてさて、この先にはなにが待っているのでしょうか?