紬さんの生存日記5
六日目
起きたらすごい成長していた私です。
以前にも寝て起きたら成長していたことがあったのですが、その時はサイズアップ程度でした。
今回はだいぶ姿が変わっていました。
今までは羊の成る木といいながらもどちらかといえば草に近い見た目でしたが、成長した姿ではより木のかたちに近づいていました。
具体的には幹と呼べるほどに真ん中の茎が太くなり、羊の成った茎よりも高い位置にたくさんの葉をつけた枝が伸び、大木と呼ばれるような姿になっておりました。
茎の先端も少しばかり変わっていて、蕾の開閉が可能になって羊を蕾の中にしまえるようになりました。
地味に便利かもしれません。
まだ作っていませんが紙をしまっておけるかもと期待してしまいます。
そして見た目以外の成長として茎の操作が格段にレベルアップしていました。
もう文字が潰れてしまうこともないかもしれません。
地面に埋まっている根もずいぶんと太くなっているようで、その表面積が増えて水分を吸収する効率も高くなったみたいです。
高所の大量の葉と太くなった根で未成熟の蕾を育てるための栄養効率が高まったためこれまで以上の速さで羊の成長を促せそうですね。
新たな蕾も今までは一つずつだったのですが、成長したことで一度に複数の枝に蕾をつけて大量生産の構えです。
とはいえ一つの蕾に集中したほうが早く羊が成る気がします。
あとで検証して一つずつと複数並行の比較をしたほうが良さそうですね。
成長したことでずいぶんといろんなところが変わりました。
まだ気付いていない違いもあるかもしれませんのでこれからいろいろと試していこうと思います。