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下山



 あまりの絶景にしばらく惚けていた紬。

 近くの足場を確認して安全そうなルートを伝って山を降りていくことにした。


 一号が下山している頃、三号の頭は新たに得られた情報を整理するためにフル回転で思考を巡らせていた。

 植物本体が居座っているのは島にある山の山頂。

 火口というよりは火口付近が崩れて広がってできたカルデラ地形であり、中心の湖はいわゆるカルデラ湖なのだろうと当たりを付ける。

 カルデラ湖にしては栄養が豊富な気がするがこちらの不利益になることではないので問題なしと判断。


 そんなことよりも一号の視界に映り込んだモノのほうがよっぽど問題だ。

 あんな生物がいる島を探索すのは相当な困難が予想される。

 山頂から見渡していたため普通のサイズの生物であれば小さな点にしか見えず、その種類を判別することは困難である。

 そんな中でソレがなんであるかわかるほどの巨体を持つ生物がいたのだ。


 紬の記憶によればあれはブロントサウルスだとかウルトラサウルスとかいう首の長い巨大な恐竜だ。

 地球では遙か太古の時代に絶滅し、その姿は化石としてでしか見ることのできなくなった生物だ。

 そんな恐竜が住むこの島には他の恐竜が居ないとなぜ言えるだろうか?

 あの有名なTレックスなんかに出会った日には羊なんて丸飲みかもしれない。

 そう考えるとこれといった天敵のいない場所に発芽した事はこの上なく幸運であったと安堵する紬。


 あまりにも危険な香りのするこの無人島だが紬には探索を中断するという考えはなかった。

 紬の方針は自身の安全第一である。

 二号が死んだときに紬自身にはなんの苦痛もなかった。

 そのことから紬としては植物本体の安全が確保されるならば羊の方は二の次。

 この島の現状を正しく把握することが今の第一目標であり、そのために羊が犠牲となるのならそれも致し方なしというのが現在の紬のスタンスである。

 

 無知は罪。

 知らなかったで済むほどこの世界も甘くはないだろう。

 この世界のことを理解し、適応していかなければ簡単に命を落とすことになるだろう。

 安全を求めるのにもそれ相応のリスクを背負わねばならず、そのリスクとして何度でも用意できる羊という存在がいるのだから使えるものは利用するまでである。



 当面の方針としては植物本体が羊の量産、一号たち羊サイドで情報や資源の確保と行ったところか……。


 紬の安寧はまだまだ先のことになりそうであった……。





恐竜です。

今やってるゲームの影響なのは明らか…。

紬さんのサバイバル生活が当初の予定よりハードモードになりそう…なのかな?

スローライフとはいったい何処へ行ったのか…。

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