紬さんの生存日記24
百四十五日目
船長室や他の部屋の探索をあらかた済ませたので、探索組は取得物を載せた荷車を引いて帰宅中です。
馬車とか牛車とかは聞きますが羊車とは言わないですよね? まぁ普通に荷車でいいでしょう。
この荷車は四号の鉱物造形の魔法によるものです。調査船インコーニタの船内で見つけた荷車を参考にしました。
見つけた荷車は腐食して穴があいたりボロボロでそのまま使うことはできそうになかったので、その構造を模倣して鉱物造形の魔法で再現した形です。
海までの道のりは筏に乗っての川下りだったので比較的スムーズなものでしたけど、帰り道はそうは行きません。
砂浜や船内で回収したものはなかなかの量になっているのでその重量はなかなかのものになっています。
具体的には砂浜で拾ったいくつかの漂流物や海藻、船内から持ち出した食器や工具箱などといった人工物。さらには船長室の探索ではスケルトンの持っていた刺突剣や銃の残骸だけでなく、鍵のかかった宝箱も発見しました!
中身の確認はまだ出来ていませんが見るからに宝箱といった鍵付きの箱です。見つけたのも船長室で鍵付きとなればその中身にも期待が持てるというものです。
鍵も見つけてはいるのですがすっかり錆びついてしまっているのでその場で開けるのは諦めて箱ごと回収。中身は後でのお楽しみということにしました。
そんなわけで大量の積荷を載せたことで普通に荷車を引けば砂地に車輪が沈んで進めなくなるくらいには重たいのですが、五号の浮遊の魔法を使えば問題ありません。少し浮かすだけで摩擦や抵抗を無視してしまえるのは本当に楽ちんなのです。
帰路の問題となるのは荷物の量よりも危険な相手に遭遇しないかどうかか大事と言えるでしょう。
もしも対処することが困難な相手に遭遇してしまい逃げ出すようなことになれば、せっかく集めたこれらを置き去りにしなければならないかもしれないのです……。
そのようなことにならないように察知の魔法での警戒をしっかりと、光学迷彩の魔法で姿を隠し、消音の魔法で音すらたたないようにしています。
それでも気付かれる可能性はゼロではありません。船内で遭遇したスケルトンたちは何らかの方法でこちらを感知していたようですし……。
河川の増水も収まりつつあるので水辺に動物たちの姿がちらほらと見えるようになってきました。その中にこちらの危険となるものが居ないとは限りません。
川下りで二日ほどかかった道のりですから、帰りは倍以上の四日はかかると思っていいかもしれません。
遠足はお家に帰るまでが遠足という言葉もありますが、栄養補給という名の道草は食いつつの帰り道。何事もなく無事に帰還できますようにという願いが叶うことを祈ります……。
お久しぶりです。紬さんの生存日記……というより作者の生存報告です。四年以上放置してしまい申し訳ありません。
スマホが壊れてログインパスワードとかすっかり忘れて放置するような形になっていたのですが最近ふと思い出したことで再挑戦したらログインできました。
作者自身かなり内容とか忘れてたので改めて読み直し、ここ誤字ってるな、直さなきゃ……ここで終わってるの? なんで続きが無いんだ! 自分が書いてないからか……なら書くかーと読み終わった勢いのまま久しぶりに筆を取ったしだいです。
リハビリがてらといった感じで書き方とかも手探りで文字数も少ないですし、当時の頭の中にあった設定なども思い出しつつとなるので更新頻度がどうなるかわかりませんが気が向いたときに更新していければと思います。
エタりたくないなぁとは思っているのでぼちぼち進めていく所存です。