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霧晴れて






 トラウマと紬が遭遇してから数日が経った。


 結局あのあとは樹皮大蛇から種のようなものを回収した一号が合流してから帰路についた。道中はこれといって問題無く帰還することができた。


 今回の探索を振り返り、紬はひとつため息をこぼした。


 いろいろと思うこともあるが索敵特化な能力の振り分けをしていたことで四号がピンチに陥った事は間違いない。なのでこれを機会に能力の振り分けを改めて模索しようと紬は考えている。最低でも探索に出るときはそれぞれ単体でも使える攻撃手段を用意するのがいいだろうと思っている。


 能力の振り分けを考える際には新たに得られた能力についても検証し、組み合わせなどを考える必要があるだろう。


 まず樹皮大蛇から得られた能力は再生の魔法。傷を癒やすことができる魔法だ。小さな傷はもちろんのこと、大きな傷……部位の欠損も再生することが可能らしい。当然その分必要な魔素も多くなるが使いやすく便利な能力であると言えるだろう。


 カマキリの異形の種のようなものからは光学迷彩の魔法を得られた。使ってみてわかったことだが、制限時間というものは無いが魔法を展開している間は常に魔素を消費するタイプの魔法であった。つまり姿を隠していられる時間が最長でも使用者の魔素が尽きるまでということらしい。注ぎこむ魔素の量で膜の耐久性や隠蔽効果が変わってくるようなので使用訓練をする必要がありそうな魔法だった。使いこなせれば便利な能力だろうが実戦投入はまだ先になりそうである。


 そして異形のハリガネムシの魔法。殆ど原型を留めない程に紬の全力攻撃ですり潰してしまったために種のようなものを回収することはできないだろうと考えた紬。そう考えていたのだが、その予想に反してハリガネムシの異形から種のようなものを得ることはできた。


 他の異形の死体のように光へと解けていった残骸であったが、そこに種のようなものが残されていたのだった。


 いや、紬は見ていた。熱を見る魔法によって得た視界に映るエネルギーの流れ。何もなかったはずの場所に集まったそれは形を持ち、やがて種のようなものとなったのだ。


 どうしてそのようなことが起こっているのか紬にはわからない。取り込むことで能力を得られる不思議な種のようなもの。いつかはそれがどういったものなのか知ることができる日が来るのだろうか?


 考えるべきことは多い。思考を止めてしまえばこの世界で生き残れなくなるだろう。


 生き残るための紬の模索は今日も続く……。





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