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光学迷彩







 姿が見えなくなったカマキリの異形からの攻撃を警戒する四号はすぐさま魔法を使った。


 熱を見る魔法。これを使えば姿を消した異形のカマキリの居場所もわかるだろうと思ってのことであった。


 紬の予想通りに熱を見ることができるようになった四号の視界はカマキリの異形の熱源を捉える――ことはなく、完全に相手を見失うかたちとなってしまった。


 予想外の展開に慌てたものの、すぐに気を取り直して察知の魔法に比重を置いて警戒を強める紬。


 最初の襲撃時のことを思い出せば、初撃を躱すことができたのは察知の魔法おかげであるのでこの魔法は有効である筈だ。


 逆に俯瞰の魔法や熱を見る魔法で違和感や姿を捉えることができないことを思えば、カマキリの異形が使っている魔法は視覚に関して完全に誤魔化すことができると考えて良さそうである。


 そう考えると熱を見る魔法ではなく熱源を感知するような魔法であれば問題が無かったのだろうが、生憎とそのような能力を紬は持っていない。


 さらに言えばカマキリの異形と遭遇してしまった四号に現在割り振られている能力は察知の魔法、俯瞰の魔法、熱を見る魔法、臭覚強化の魔法、浮遊の魔法、となっており探索特化である。そのためカマキリの異形を倒すことができるような手がなさそうなので一号たちの合流を待ちたいところであったのだが、その頼みの綱の一号たちが別の異形と遭遇してしまったようだった。


 ツイてない……。いや、種のようなものを手に入れるチャンスが来たことを思えばツイているのかも? なんてことを思いつつその場から四号は飛び退る。


 鎌を振り下ろす格好のカマキリの異形の姿を見れば、あの魔法には条件……というよりも何かしらの制限があると考えて良さそうだと紬は考察する。


 すぐに思いつく可能性としては時間制限や行動制限あたりだ。


 攻撃後に姿を確認できる点を考えれば時間制限の線は薄いかもしれない。もちろん制限ギリギリの時間まで攻撃を控えているという可能性も捨てきることはできないが、攻撃を行うだとか素早く動くだとかすると光学迷彩の魔法の効力が無くなってしまうという行動制限のほうが可能性は高そうだと紬は予想した。


 なんにせよ攻撃後に姿を現すというのならばそのタイミングをうまく活かさなければならないなと紬は気を引き締めた。





 

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