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 ざあざあと降り続いていた雨もしとしとと静かなものにかわりつつあることを感じ取り、そろそろ探索に向かうことができそうだなと紬は思っていた。


 岩巨人との遭遇から既に数日が経過していた。拠点に岩場の探索で得られた収集物を置いたなら、すぐにでも次の探索に向かおうかなどと考えていた紬であったが、拠点にたどり着いた頃から雨が降り始め、ここ数日は強い雨が降り続く悪天候であった為に探索は自粛していたのだった。


 雨の中の樹海は視界も悪くなり、雨音のせいで周囲の音を拾うことも難しいため索敵の面でかなりの制限を受けてしまう。雨に晒されることでの体温の低下や羊毛が濡れて重くなることで動きづらくなり、さらには移動も足元がぬかるんだりして滑りやすくなっていて踏ん張りも利きづらく、もしも戦闘となってしまった場合を考えると雨が降る中で樹海に入るのは避けるべきだと考えた。


 もちろん魔法を用いればある程度は行動の制限は緩和することができるだろう。


 体温の低下は保温の魔法を使えば事前に防ぐことができるし、羊毛が雨水を吸って重くなってしまうのも保湿の魔法を濡れる前にかけておくことで防げることがわかっている。


 けれどもそういった対象を選んでかけるそれらタイプの魔法ならば問題ないが、能力を持つものにのみ効果があるものだと振り分けることができる数が足りない。


 例えば浮遊の魔法であればぬかるんだ足場など問題なく進むことができるようになるが蜘蛛の異形から追加で一つ手に入ったとはいえ、まだふたつ分しか所持していない。


 また、分枝の魔法を利用してすべての能力をもたせた分枝の羊をつければ問題は解決できそうだが、その方法であると持続性に問題が出てきてしまう。分枝の羊は様々な場面で活躍できる万能性を持つが魔法を使い消耗すると光へと消えてしまうので探索中の継続的運用には向いていないのだった。


 そういった理由からここ数日は拠点に引きこもっていた紬なのであった……。



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