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岩巨人という存在






 岩巨人という存在について紬は思いつく可能性を挙げていくことにした。


 とりあえず岩巨人が生物であったと仮定した場合に一番ありえない……というよりもそうであってほしくない可能性としては、岩巨人が紬が今居るこの世界での人類のスタンダードなんて可能性。まあ、ほぼあり得ないだろうが……。


 なんの深読みもせずに考えるならばあれは種のようなものを持つ異形であり、岩巨人という異形の生物は、ただただああいう存在であるというパターンも考えられるだろう。


 今まで紬が遭遇した異形は動物か植物のどちらかであったわけだが、もしかすると岩のような鉱物でさえも種のようなものを持つ異形として動き出してしまうのがこの世界の常識なのかもしれない。


 紬は友人Aが何に触発されたのかわからないが、地球上の炭素を中心にして身体が構成される炭素生物に対して、宇宙の別の星ではケイ素を中心に身体が構成されたケイ素生物がいるかもしれないんだよ! などと熱く語っていたのを思い出していた。


 他にもゲームやファンタジー作品などでは動く石像ガーゴイルなんてものもある。無生物が動き出すなんていうことは魔法が存在する世界ならば十分に可能性がありそうだなと紬は考えた。


 ゲームやファンタジー作品で思い浮かんだ岩巨人に近い存在を紬は思い出していた。


 それはゴーレム。もとはユダヤ教の伝承に出てくる自動で動く泥人形。ゲームなんかでモンスターとして扱われるゴーレムは泥以外にも岩や様々な金属などいろんな素材のゴーレムが登場する。


 紬が遭遇した岩巨人もゴーレムと同じような存在なのかもしれない。


 岩巨人が生物ではなく無生物でゴーレムのようなものだと仮定すると、何者かに造られた存在であると考えることができるだろう。


 物を作るというとまず人間が思い浮かぶが、この島に人工物は見られないし、仮に紬が作るとしたらと考えると岩猿を模すのではなく、人間に近づけようと考える。なので人間が作ったものである線は薄そうだと紬は思った。


 人間でないとするならば別の存在が岩巨人を操っているというパターンも考えてみる。


 考えてみたのだがどれもいまいちしっくりとこない案ばかりであった。どのような案を考えても岩巨人が猿の死体を食べていた点が上手く繋がらないのだ。


 強いて言うならば燃料として利用していると考えるのが一番違和感がなさそうである。


 だがやはり紬はどこか納得がいかない。しかしいくら考えても正解にはたどり着くことができそうにない。要となる重要な情報が足りていないのだと紬は感じていた。


 ひとまず岩巨人の考察は打ち切り他に移ることにした紬。とりあえず確かなのは近くで魔法が使えなくなる岩巨人という存在に、現状では紬が太刀打ち出来そうに無いということだ。岩巨人をどうにかしようと考えるならば有効な手札を揃える必要があるだろう。













仕事が忙しすぎる……。切実に休みが欲しい……。

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