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攻撃試験 刃






 まず試していくのは物理的な威力を持つ攻撃だ。


 というよりも物理攻撃以外を試すとあっさり倒せてしまってせっかくの検証の機会を逃すことになりかねないというのが実情である。


 蜘蛛の異形がこの岩団子虫を相手取ったとしたら毒で仕留めただろうから、そっち方面は物理攻撃の検証を終えてなおも岩団子虫が攻撃を耐え切り健在だった場合まで使わない予定である。


 とりあえず手持ちの攻撃手段の中でも威力が低いと思われるものから順番に試していく紬。


 鉄をぶつける攻撃は既に行ったのでそれ以下の威力となるであろう打撃系の攻撃は今回は除外。そんなわけでおそらく効果はないだろうが斬りつけるタイプの攻撃を試すことにした紬。


 分枝の魔法で生やした根で握ったナイフで岩団子虫を斬りつける。


 黒曜石製のナイフは鉱物造形の魔法で今までよりもより鋭くなり、切れ味も増している。だがもともと岩のような外殻は切り傷を入れることも難しそうだったのに硬化の魔法と思われる能力でさらに頑丈になっているとなると、刃が立たないのは当然の結果であった。


 まあ、予想通りの結果なので問題無いと思いつつ紬は次の段階へと進めるために黒曜石のナイフに魔法を使用する。


 使用したのはバロメッツの動かす魔法。練習中の技だがどれくらいの効果が出るか試す機会だと再びナイフを振り下ろす。


 動かす魔法によってナイフは小刻みに震えている。いわゆる超振動ナイフを再現したかったのだが、せいぜい高振動ナイフ……いや振動ナイフ程度にしかならなかった技である。


 それでも魔法無しで切るよりは圧倒的に切れ味は増しているので無駄な技ではないし、もっと練習を重ねて習熟すれば超振動ナイフにまで届く可能性はゼロではないだろうと紬は思っている。


 とは言ってもやはりこの程度の小細工でどうにかなるような耐久力ではないようで、黒曜石のナイフがすぐに刃こぼれしてしまった。


 黒曜石というとガラス質であるから鉄をぶつけて無傷であった相手には荷が重過ぎるのは当然かと、次の素材のナイフを鉱物生成の魔法と鉱物造形の魔法で用意する。今後の実験のこともあるので消費を抑える為に黒曜石のナイフのかけた刃の部分を別の鉱物に替えてやるだけだ。


 とりあえず鉱物生成の魔法で生成できるものは全部試して見た紬。鉱物生成の魔法で生成できるのは紬が触れたことのある鉱物という条件であるので前世の記憶を持つ紬の生成できる鉱物はそこそこの種類がある。


 試してみた結果としては前世で使っていた包丁を思い出しながら生成したナイフが僅かに傷を与えることができたという感じなので、今後の刃物として生成するのはこれで決まりとなりそうだ。


 紬が前世で使っていた包丁は料理人だったらしい祖父が使っていた物で、かなり良い物だったらしいので刃物として高いポテンシャルの鋼だったのだろう。


 ただ鉄を生成するよりも魔法の効率は悪くなるので使い方に工夫をするか練習を重ねて魔法の習熟をしていく必要があるだろうと思う紬だった。


 



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