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思考分割の魔法






 魔法を複数同時に使うというのはかなり難しい。対象を決めたり、効果の規模やどれくらいの魔素を利用するのかなど考えなければならないことは結構多い。


 そのため今まで紬が戦闘などで複数の魔法を使う場合には、留守番組の羊たちに魔法をどう使うのか考えるのを任せて戦地での思考は主に立ち回りかたを重視して考えるという分業体制であったのだ。


 そんなふうに複数の羊の頭による並列思考(物理)という非常識な手段でなければ行えなかった魔法の複数同時行使も思考分割の魔法を使えば単独の羊でも容易となる。


 並列思考(魔法)という手段を取れるようになったため、どれくらいまでいけるのか効果の確認を行った紬。


 結果、同時におよそ十の物事について考えることができるようになっていると判明した。


 これだけでも十分凄いのだが、これだけでは蜘蛛の異形が使った時ほどの槍の雨を再現するには足りていない。


 つまりこの魔法も使い込んでいけば、更に多くの思考を同時に行えるようになるのだろうと予想できた。


 しかし紬には蜘蛛の異形と違って考えることのできる頭が複数ある。並列思考(物理)と並列思考(魔法)を同時に使う並列思考(物・魔ハイブリッド)という選択肢があるのだ。ナンバーズ全員の思考を魔法で分割することで同時に処理できる魔法の数は飛躍的に増え、その状態でならば蜘蛛の異形が使った時以上の鉄の槍の雨を降らすことも可能だろう。十分な魔素がなければ不可能なので実用的かどうかは疑問が残るところではあるが……。


 なんにせよこの魔法のおかげて紬が取れる手段は飛躍的に増えることとなった。魔法の行使だけでなく、立体印刷などの生産作業の方でも効率が良くなることが予想される。


 蜘蛛の異形から得た多くの魔法のおかげで紬の戦闘力はこの島でもかなりの高水準にあると思われる。


 探索で不意に強敵に出会ったとしても一方的に負ける展開というのはまず無くなったのではないだろうか?


 生存能力も十分高まったことだし、とりあえずしばらくは探索は休憩にしてやや停滞気味だった生産作業の方に力を入れていくことにしようかと紬は今後の予定を組み始めるのだった。







投稿開始から四ヶ月となります。


ここまで続けられているのも読者の皆様のおかげです。


なるべく更新が途切れないようにしていくので今後もこの作品をよろしくお願いします。

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