人面樹の魔法
人面樹から得ることができた種のようなものからは、新たにいくつかの魔法を手に入れることができた。
毒性付与の魔法。
きのみを食べた動物が倒れたのはこの魔法が原因だったらしい。
適応範囲は動かす魔法と同じようで、干渉した魔素を含むものに毒性を与えられるというものであるらしい。
毒に耐性がある相手には効かないかもしれないが、使える手札が増えるのいいことだ。どのような毒なのか詳しいところは追々検証してみればいいだろうと紬は思っている。
分枝の魔法。
文字通り枝分かれする魔法である。正確に説明するのならば新たな枝を作り操ることができる魔法だ。枝に限らず葉や根といったものをコピーして生やすことができるらしい。
当初は人面樹が根を操っていたのをバロメッツと同じように動かす魔法でも使っているのだろうかと考えていたが、実際には分枝の魔法で作られたものを操っていたようだ。
おそらくこの分枝の魔法が人面樹が本来から持っていた能力のようである。
この二つの魔法は人面樹が使っていたのをすでに見ていたが、残りの魔法は人面樹が使っていなかったものだ。
というよりも人面樹が使ったところで意味がないものというのが正しい。
脚力強化の魔法。
脚力を強化するという魔法である。そのため脚のない人面樹には意味がなかったようだ。
腕力強化の魔法。
腕力を強化するという魔法である。脚力強化の魔法と同様の理由で人面樹には使われていなかったようだ。
嗅覚強化の魔法。
嗅覚を強化することができる魔法で、僅かな匂いを嗅ぎとったり、より詳しく匂いを嗅ぎ分けることができるようになるようだ。
以上の五つの魔法が人面樹の種のようなものから得られた魔法の種類である。
とりあえず腕力強化の魔法以外は有用なものとなるだろうと紬は思っている。
脚力強化は羊が使えるだろうが、腕力強化は無理なようなのだ。やはり前脚なので腕力強化は効果が出ないようだ。
今回は思った以上に人面樹から得られた魔法の種類が多い。
新たな魔法の使用感などを試していくことにした紬。
きちんと効果を把握しておくことが、いざという時に差として現れるものである。