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林間獄舎学校事件 1  作者: かもめ
5/5

だから美しいことは正しいことなのです。



 【最終解決】後、認識番号の【豚共】を山の様に積み上げ、それを前にして生き残り全員で記念撮影をする先生と生徒たちです。

 加藤と鈴木の両教師がセンターに座ってピースをし、その後ろには看守役の少年少女が中腰で立っています。

 皆いい表情です。イキイキとした顔をしています。

 一仕事終えた後の達成感が顔に表れているのではないでしょうか?

 ところで柴山の顔が無いです、どこにもいません。どういうわけなのかもう少し見ていかなくてはならないでしょう、読者の皆様には今しばらくお付き合いをお願いします。

 ところで、学級崩壊させた悪童やその主犯格取り巻きの【処理】は終わっていましたが、学級崩壊を見て見ぬふりをした怠慢の悪ともいうべき看守役の生徒、妊婦だった鈴木の寄せ書きやSNSに、(例え強制させられたといえども)書き込んでいた看守役全員の【処理】が残っています。また、東大卒という学歴を妬み、学級崩壊を助長した教師達も加藤と鈴木の復讐の標的ではないでしょうか?

 其の為の覚悟はあり、とうに腹をくくっている加藤と鈴木でした。

 今回の事件の一部始終を全て一元管理していたのは何とあの柴山です、加藤と鈴木から柴山の顔が一切映らないよう厳命されその条件下この仕事を任されることとなったのでした。

 そのためにはたくさんの情報を管理する必要があり、実は登校拒否のある時点から計画練り、情報を集めていたのは加藤と柴山だったのです。もっとも一時柴山も虐待に加担し、事件に飲み込まれてはいましたが……

 看守役となる人間の選定、個人情報、家族の名前、住所、電話番号……ETC

 学級崩壊を助長した教師たちの個人情報、家族の名前、経歴、出身大学、アドレス……ETC

 そして今回の事件の全貌の一部始終の映像、音声の編集、最後に加藤と鈴木からのメッセージをビデオレターに纏め上げた陰の功労者が柴山でした。

 事件後、二人の教師はすぐに警視庁に自首し、世間は一大騒動となりました。

 限界集落には報道陣、警察が集まり、空にはヘリコプターが何機か飛んでいます。

 当然です、生徒を集団監禁、集団虐待、扇動、集団虐殺が行われた現場なのですから。

 同時に林間学校事件としての詳細な記録情報が柴山の手によってネットにアップされることに! この情報は瞬く間に世界中に広がってしまいました。

 政府による証人保護プログラムも全く役立つことも無く、次々と追い込まれていく関係者達です。私の調べた限り、三〇人以上の死者を出しましたね。

 東大で社会心理学を卒業論文にした加藤の頭脳はやっぱり凄かったですよ、惜しむべきはその能力を復讐にしか使えなかったことでしょう。

 先生達に面会に行くことは事件計画中からも厳しく禁じられていたので未だ逢いに行けていませんが、事件計画中で言っていた彼の信念をざっと私の言葉でまとめておこうと思います、今しばらくのご辛抱を。

「今回の復讐劇を知ってきっと世間は驚嘆する事でしょう。たくさんの死人を生産するこの計画の真の狙いはやがてこの世界からいじめや虐待、その現場を目撃しながら見て見ぬふりをする社会、人間の根絶にあります。これほどの悪をなしながら逆説的にも目的は善の普及にあるのです。これほどの悪をシステム的に見せつけても社会が何も手を打たないというのならば、もしそれでも悪の根絶に成功出来ないというのが教育ならば、それこそ天下、そう世界を殺すでしょう。そうはならないことを今は祈るばかりです」

 もう今は風化しつつある事件ですが、私はこの経験をもとに今は自衛隊での虐待防止プログラムの研究に主席主任として勤務しています。

 今や当時の事を大分ぼかして書いてもいいころだと思い立ちここに筆を執った次第でした。

 そう私はあの柴山なのですよ。もっともいまはかもめと名乗っているのですが如何だったでしょうか?

    了

悔しいのう、悔しいのう。一次突破もできませんなんだ作品です。

あーあ、やっぱり力ないなあって少し落ち込んじゃいました。

まあ気取り直して又がんばりますかねえ。


もし感想あったらおねがいしまっす。

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