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Ice A GE(アイスエイジ)  作者: 重山ローマ
4章 終わりを求めて
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  「kkkkkkk」


 彼女が切ったのは、小さな木片。

 ナナカだけができる荒技である。


「あたし、なぜかわからないけど、ガラス人間と木片たちに襲われたことが一度もないの。あなたたちエッジ以外に敵はいなかった」


 小さな木片である以上、そんなものではエッジに対抗はできないが。


「この子たち、食べることが得意なの。痕跡さえ残らなければ、ここでだれも戦っていないことになる」


 小さな木片が声を上げて口を開いた。

 その口に広がる暗闇は、終わりがない空洞。

 一度喰われたものは戻ってこない。


「破壊します」


 頭部に刺さる拳――飛び散る金属片を、木片たちは喜んで喰らった。

 この方法であれば、屍は残らない。

 いくら体の小さな木片でも、喰べる能力が変わらないことは経験で知っていた。

 動かなくなったエッジを見下ろして、ナナカは動き回る木片たちを眺める。


 どうして自分が襲われないのか――自分が命じれば答えてくれるのか――そんなことを気にするのは今更な話だったが、ナナカはこうして木片を作り出すたびに考える。

 この方法はあまり使いたくなかったため、ナナカはずっと彼女に預けていたわけだが。

 短くなったガラスナイフを握って、辺りを見渡した。

 この方法は何度も使えない。

 ナイフはいつかなくなってしまうだろう。


「落ち着け、あたし」


 もうお別れはしたのだ。

 もう姉であるあの人は死んだのだ。

 自分を納得させる。

 ここで引き返して助けに行く――そんなことをしたところで、彼女を救う方法はないのだ。

 巣から落としたって、簡単に見つかってしまう。

 前に進むことしか、ナナカには道がない。

 半分ほど喰われたエッジを置いて、ナナカは奥に進む。

 あとは木片たちが処理してくれるはずである。


「次のことを考えなきゃ」


 すでに知らない事にぶつかった。

 これより先も、知っている事だけがあるとは思えなかった。

 ナナカは例の工場前を横切り、さらに奥へ進んでいく。

 彼女の手先は、恐怖で震えていた。

 想像すればするほど、この先にあるのは死。

 自分を傷つけることができる存在エッジと、それを統べるマザー。

 まだ他にもなにかがいる可能性は十分にある。


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