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Ice A GE(アイスエイジ)  作者: 重山ローマ
3章 名前を呼んでほしい
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ガラスの腕 プロローグ


 空を浮かんでいる山のような何かは、風に揺らされて流れていく。

 雲を裂くように現れたそれは、他の何かを全く受け付けようともしない。

 その山を守るように、点々と何かが飛んでいるのが見えた。

 よく見てみれば、その山自体が浮遊しているようではない。

 なにかがその山を抱えて飛んでいるようである。

 数十、数百――いや、数千ほどのその軍勢は、耳につく嫌な羽音を立てて飛んでいた。


「見つけた」


 その山を睨みつける女性――。

 癖のついた黒髪を風に揺らしている。

 身につけている男物の軍服は、サイズが合っていないようで不格好に見えた。


「KAKAKAKA――」


 ずいぶん離れていたはずだが、山を囲んでいた何匹かが彼女に向かって飛んできていた。

 彼女はその脅威に、少しも動じた様子はない。

 慣れたように、肩のあたりにあるファスナーを開いて左腕を晒した。

 不格好に見えていたのは、その左肩から指先にかけての無骨さだっただろう。

 そうして晒された左腕は、人間のものだとは思えない不気味なものだった。


「来なさい。相手になってあげる」

 

 そして、彼女に向けて飛んでくる蜂――エッジを、一匹のみを残してほんの一瞬で破壊した。

 腕を数回振るっただけである。

 一撃一殺。

 おそらく偵察にきただけだっただろうエッジには、なにがあったのかが理解できない。

 ただ、その女性の左腕を睨みつけていた。

 脅威はそれである。


「KA――」


 本来なら、それを食すのはエッジだ。

 負けるはずがない。

 そんなこと起こるわけがない。

 エッジは睨みつける。

 羽音を鳴らし続ける――。


「帰さないわよ。報告でもされたら困る」


 そして、彼女は最後の一匹に向けて腕を振るう。

 その左腕は、ガラス人間と同じ結晶に覆われていた――。


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