終
「ミツキ、そっちの様子は」
「次のプレイヤーの目処がついた。すぐにそいつを処理すれば、次のプレイヤーを慌てて探すことになると思う」
「了解。マップの更新情報は?」
「建物が複数破壊されたおかげで大きな工事が必要になった。これなら銃器を隠しておくことは簡単にできると思う、けど、そっちは大丈夫なの?」
「シータとフタコはすでに成人街に潜入している。フタコが次のプレイヤーを処理するとして。シータは誰の皮を被るか決めたようだが、実行まではまだいっていないようだな。すぐに済ませるように伝える。なんにせよ、一番危険な場所にいるのはお前だ。気をつけるんだぞ」
「分かってる。ハジメも気をつけて」
「ああ」
通信を切ると、ミツキは偽の街を見渡した。
煙を逃がすために、特殊ガラスドームを開けるよう指示をだす。
化け物たちはサイレンを使って、街の隅に集めてある。
街に流れ込んでくる冷気が、外の世界と繋がっているのだと教えてくれた。
ただ、外にでるために彼らは動いているわけではない。
腐った人間を処理したいだけなのだ。
作戦はもう最後の段階まで近づいてきている。
街の修復が終われば、地下の街の崩壊が始まるだろう。
外の世界がどうなっているのか知らない部品たちが、外に解き放たれる。
部品たちのことなど、彼らにはどうだっていいことだ。
彼らの敵は、鑑賞場で息抜きをする人間たちなのだから。




