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第二十三話

すっごく遅くなってしまい、申し訳ないです。色々と忙しく....。

久々にログインしたら更新頑張ってくださいという旨のメッセージを受信していたので、それを機に更新頑張ってみようかなと。

本当にすみません。

 燃えるような赤い髪に、妖艶な唇。

 俺が男のままだったら、問答無用で前かがみにさせられたであろうプロポーション。所謂、美女だった。


「わたくしはその子に用があるだけなのですけれど」


 そう言って、俺のバッグ――いや、その中のドラゴンの子供を指さす。


「その子がお世話になったようですわね。感謝はしませんけれど。もしその子がいなければ、さっきちくっとされたときに消し飛ばしていましたわ」


 えっと....お嬢様キャラ?

 というか、傲岸不遜な感じだ。

 言葉の端々から感じる威圧感というか、上位者としての風格が、ハンパじゃない。逃げようとも思わないな、これ。


 ドラゴンが人間の姿になったのは、驚くことでもない。俺にもフロルにもできる。でも、裸なのはなんでだ?神とかドラゴンとか、位が高ければ高いほど裸率が高いのか?


「というわけで、早くその子を返していただける?」

「は、はい」


 思わず敬語で返してしまった。

 なんて威圧。もう一度言おう。半端じゃない。


 バッグの中に窮屈そうに入っていたドラゴンの子供を、無理やり引っ張りだして渡す。ちょっと窮屈な感じが気に入ったのか、出ようとしなかったけど。

 ドラゴンさんの機嫌をそこねてもいけない。


「あら、回復までしていたのね。感謝はしませんけれども」


 プライド高いな、おい。


「一つ、命令があるんですけれど」


 って、急だな。

 お願いがあるんだけど、みたいなノリで命令されても困るんだけど。


「ほかにもわたくしの子供がここの地下にいるので、救出してきなさい?全く、わたくしの子供を攫うなんて、なんて強欲なんでしょうか、人間は」


 たぶん、今までの態度を見るにあなたの方が強欲ですよ、とは言えなかった。

 だって怖いもん。機嫌を損ねて「はい、死ね」とか言われたら逆らえない。

 むしろ嬲られないために自殺を選ぶかもしれない。一応暗殺者なので、自殺の訓練もしている。


 って、なにを考えてるんだ俺は。


「救出、ですか?」

「ええ、そうよ。では、よろしくお願いしますわ。わたくしでは、ここでは本気が出せませんので」


 そう言ってぴかっと光り、またドラゴン形態に戻ったかと思うと、次の瞬間には物凄いスピードで飛び去って行った。

 屋根の上にジャンプで登って、ドラゴンの動向を見守る。


 まあ、いくら上位種でもここを離れたら俺を見張れないだろうしな。

 どっかに行ったらさっさとトンズラこくか。

 アリーはこの街の事情に首を突っ込みたがっていたけど、流石にここまでくるともう面倒見ていられない。

 三人でトンズラだな。


 と思うと、ドラゴンの口に炎が集まっていった。

 次の瞬間、山が、吹き飛んだ。


「....え?」


 円型に、山がえぐれている。

 え?....え?


 これだけ力があるなら、自分で子供を救出すればいいんじゃないの?

 あ、そういえばここでは本気を出せないとか言っていたな。何故なのかはしらないけど。


 とりあえず一つ言えることは、もうトンズラこく気はなくなったということだ。

 マジでドラゴンの子供を助けないと、消し飛ばされる。


 もう、あのドラゴンとまともに話せる気がしない。

 いってくれてよかった.....


 .....あれ?

 なんか戻って来てない?


 ばっさばっさと遠慮もなしに戻って来て、また目の前に降り立った。

 美女状態になる、ドラゴン。


「ごめんあそばせ。助け出した後のことを考えてませんでしたわ。これをどうぞ。わたくしを呼びたくなったら、この笛を吹いてくださいます?」

「わ、分かりました」


 ガタガタガタ....。有無を言わさぬ口調が、マジで怖いです。


「では、今度こそ」


 そう言ってバサバサ飛んで行った。

 .......戻ってこないよね?

 確認したけど、さすがに戻ってくる気配はなかった。

 ほんとに、ドラゴンの癖して猫みたいに気まぐれな人だ。


 さて、早くアリーたちと合流するか。


「キュウ!キュウ!」


 あれ?お前なんでいんの?








~~~~~~~





 ドラゴンに忘れていかれたのか、それとも自分からここに残ったのか。

 何故かここにいた暴れん坊ドラゴンキュウちゃんをバッグに突っ込んで、フェンリル形態になる。俺はまだ未成年なので、フロルよりはフェンリル形態になったときのサイズが小さい。

 なので、ちょっと無理をすれば犬的なペットが歩き回っているという設定でゴリ押しできないこともないような気がするのだ。


 肩からキュウが入ったバッグを提げ、歩きだす。

 案の定、町の人達に注目されるが....やはり、さっきの俺とは分かってないみたいだな。まさか変身するとは思ってないんだろうな。

 俺たちを探すのに手間取っていて、俺への興味もすぐに薄れているみたいだ。


 よし、これならアリーたちを探しても問題なさそうだ。

 さっき別れた場所まで戻る。

 実は、この形態になったのにはもう一つ理由があるのだ。

 そう、それはにおいを追うこと。この形態なら、アリーのにおいを追える。

 俺ならば、訓練された警察犬よりも正確ににおいを追えるしな。


 くんくん....。

 くんくんくん....。

 てくてく....。

 くんくん....。

 てくてくてく....。


 しばらく歩いて、アリーたちのにおいの足跡を追っていく。

 アリーたちのにおいはどんどんと人気のないほうへと行っていた。

 これってもしかして、アレクの言ってたかくまってもらえる場所に向かってるのか?あり得るかも。


 そして、しばらくした後。

 アリーたちのにおいが、地面の下に消えている場所を発見した。

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