第十七話
気が付いたらブックマークとか180超えてるし総合評価とか400超えてるし60000pv超えてるし.....。嬉しいしありがとうなんですが。
なんかプレッシャーとかやばいっすね。
はい、エタらないように頑張って行きましゅ。
「むぅ、勇者召喚か」
俺は風呂につかりながら腕を組んだ。
それと言うのも、俺たちが追われる原因となった勇者召喚がどうにも気がかりなのだ。
「なんで勇者を召喚したことを頑なに隠そうとするんだ?」
そう、それなのだ。
俺は尻尾をもふもふしながら考えをめぐらせた。
この世界には異世界のテンプレらしく魔王がいる。魔王は人間などの国を脅かす恐ろしい魔族として広く知られていて、言うことを聞かない子供には『早く寝ないと魔王が来るよ』といって寝かしつけたりするほどだ。
恐らく勇者を召喚したのもその魔王を倒す為だと思われるが、なぜそれを隠すのかが問題だ。
全人類は、いつ攻めてくるかも分からない圧倒的戦力を誇る魔族たちを恐れている。今までは人間の数で魔族の質に対抗してきたが、それもいつ崩れるか分からない。そのことは国民も重々承知している。
だからこそ、勇者の存在を全世界に知らしめて自軍の士気を向上させ、魔王への牽制とするべきだ。
なのに、勇者の情報を隠している。
これは明らかにおかしい。
「はぁ.....」
いくら考えても王がこんなコトをする理由が分からない。
さっさと公表して、魔王を倒させればいいのに。
そうやってため息ばかりついていると、急に風呂のドアがバンッ、と開いた。
「ゲッ」
そこに立っていたのはアリーだった。まあ、宿の風呂のドアをこんな開け方するのはあいつくらいしかいない。
ここは宿の公衆浴場。今は早朝だ。
俺は、起きてすぐに目を覚まそうと風呂に入っていたところだったのだ。
「お姉様!ここに居たんですね!」
そう叫んでルパンダイブしてくるアリー。顔が完全にエロ親父だぞ!
「ちょ、やめ――」
かわそうとしたが湯の中ではうまく動けず、アリーに抱きつかれる。くそぅ、まだまだ修行不足か!
「げほ、げほ!」
抱きつかれる瞬間にアリーのひざが鳩尾に直撃したせいで、むせてしまう。というかなんかテンションがおかしくないか?
「山神様がずっと一緒だったから緊張したんですよぉ!?」
なるほど、そういうことか。
俺はよく分からないが、神が実際に人と話したりするようなこの世界。神への信仰も前の世界より厚いのかもしれない。
「そうか」
「それだけですか!?」
不服そうに頬を膨らませるアリー。
だって仕方がないじゃないか。こんなときになんていっていいかなんて前世でも今世でも女づきあいが激しく無い俺には厳しすぎる。
「じゃあ、ちゅってしてください、ちゅって」
「ふぁあ!?」
え?女の子同士ってこんなことするのか!?そんなはずは無いだろう!
「そ、そんなことできるか!」
「え~、女の子同士じゃないですか~恥ずかしがらないで下さいよー」
「恥ずかしいわ!」
不満げにぶーたれるアリー。でも俺は絶対にそんなことしないからな!
「仕方ないですねー。私がしてあげます!」
「え」
瞬間、俺が反応する前にアリーが頬にキスをしてきた。
「あわわわわわ」
「こんな慌てているお姉様、始めてみました。永久保存永久保存」
ここここここんなことをされたの初めてだだだだだだ。
....ハッ!?
お、落ち着け自分。
俺はただ幼稚園児にキスをされただけじゃないか。裸だけど。
あれだ。親愛の表現だ。
背徳感なんて感じないからな!
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風呂から出た後、狼の姿になって水浴びをしていたフロルと一緒に朝ごはんを食べに食堂に行った。
食堂に入る直前、食堂がなにやら騒がしいことに気が付いた。
「なんでしょうか」
フロルが怪しがって聞き耳を立てる。俺もそれに倣って聞き耳を立てた。アリーはお腹をおさえて悲しそうな表情をつくっている。お腹がすいたようだ。が、今はそれどころではない。食堂内から物凄い殺気があふれてくるのだ。
「人間は帰れ!」
「このサルどもが!」
この宿に泊まっている獣人たちだろう、たくましい声が聞こえてくる。いったい誰に言っているのだろうか。
ただの喧嘩ならばいいが、それは無いだろう。食堂内の全ての獣人から殺気があふれ出している。
「黙れ!獣くさい半獣どもが!さっさとこいつらの居場所を教えろ!」
「誰が貴様らなんかの言うことを聞くかよ!」
どうやら少人数の集団が宿の客を怒らせたらしい。その理由も、相手がどういった人物で何のためにここに来たかも、今の会話で大体予想はついたが。
「追っ手.....ですかね」
「っぽいな」
恐らく、俺達を追ってきた追っ手だろう。もうここまで居場所を特定されているとは.....。動きが早いな。
「裏口から出よう」
「そうですね」
「???」
フロルと俺は頷き合うと、足音と気配を殺して裏口へと向かった。アリーは状況を理解できていないようだが、ただ事ではないことだけは分かるのだろう、拙い足取りでこっそりと着いてきた。
アリーを引き離し過ぎないようにゆっくりと裏口まで歩く。裏口に着くと、音を極力立てないようにドアを開けた。油が足りていないのか蝶番が錆びているのか、すこしだけきぃ、と音が鳴ったが、大丈夫だろうと思った次の瞬間。
「ふん、やはりここに居たか。売国奴め」
そう言ってそこに立っていたのは銀色に輝く鎧を身につけ、一目見ただけで業物と分かる槍を構えた1人の男だった。
男は壮年で、堀の深い顔立ちをしていた。子供が見たら泣き出しそうなほどいかつい顔つきだ。アリーが涙目になっている。
相手は1人だけだが、全身から溢れ出る威圧感から、こいつは只者ではないと分かる。突破するのは難しそうだ。
「さて.....どうしようか」
涙目のアリーの頭に手を置いて、そうつぶやいた。
あれですね、遅くなってすいません。
ほ、他の小説を更新して執筆速度や文章力を成長させ、よ、よりいい作品に仕上げようとしていたんです。
だからゆるちてぇ。




