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第十五話

わわわわっふぅ~~!

総合評価400pt突破~!

御贔屓にしてくださりありがとうございます!

ぽたり、ぽたりと汗が下に落ちる。落ちた汗がすぐに乾くのを見ていると、地面がどれほど熱いかわかる。いつもは気持ちがいい太陽だが、今は憎たらしく思えてくる。さっきまではフロルにびくびくして会話どころではなかったが、本人に「そんなに緊張しないで」と言われてどうにか会話ができる程度には緊張(恐怖)が解けている。強制的に。


ここは砂漠だ。あの後森を抜けたはいいが、そこから砂漠になっていたのだ。地図で確認するとどうもここの砂漠は避けては通れない道のようで、仕方が無くこのクソ熱い砂漠を横断している。そこまで大きい砂漠というわけでもないので3日もあれば抜けられるだろう。


「あっぢいぃ~」


心底恨みを込めて太陽を睨むが、目が痛くなっただけで何が変わるわけでもない。身に着けたローブのフードをかぶりなおす。顔に影が差し、すこし、ほんの少しだけ涼しくなる。


「ねえそのローブ、暑くないの?」


そう聞いてくるフロルは胸が大きく開けた傍から見れば涼しそうな格好をしている、が、この痛いほどの日光が振ってくる砂漠では逆効果だ。肌の露出している部分が直接日光に晒されることになる。


「そんな格好だと日焼けしますよ?」


日焼けといっても酷いほうの――皮膚の皮がパリパリと剥がれるほうだ。


「でも熱いじゃない?」


そう言って胸元をぱたぱたする。あ、そんなことをすれば胸元が、胸元が、み、見える......チッこれが見えそうで見えないもどかしさか。


アリーは.....ガッチガチになりながら歩いている。アリーもローブを着ているが、あれは着替えるほどの精神的余裕がないだけだろう。明らかに暑さとは関係ないところから来る汗を流している。......どれだけ神が怖いんだよ。一体何されたんだ?


「ここ蒸れるのよね~――どうしたの!?」

「い゛え゛」


フロルが胸の隙間にタオルを突っ込んでそんなことを言い出した。俺が女だと思っての行動だろう。ちなみにその時、俺はどろりとした液体で真っ赤に濡れたハンカチを鼻の下に当てていた。


....俺達(アリー&俺)は蒸れるほどないから安心だね!










日が傾き始め、そろそろ涼しくなってきた。


「お、見えてきた見えてきた」


ようやく離れた場所に町が見えてきた。砂漠のオアシスを中心とした比較的大きめな町だ。大きめではあるが、入場時に身元を確認されない程度なので恐らく指名手配されていると思われる俺達にはありがたい。流石に寒い寒い砂漠の夜をテントで過ごすほどの勇気は俺には無い。


「あ、本当ですね!」


アリーは歩きながらフロルと話し合ったようで、だいぶ打ち解けたように思う。女同士の会話に入れるほど俺のコミュ力は高くないのでその間俺は少しはなれたところで氷を作って遊んでいた。寂しくなんかないし!


「痛い....痛い.....痛い.....」

「だから言ったじゃないですか。アリー、回復魔法できる?」

「ごめんなさい、できないんです」

「いや、いいよ。アリーのせいじゃないし」


両手で肩を抱きながら痛い痛いと呪詛のように唱えるフロル。だから言ったのに....。完全に自業自得だ。ハッ、もしかしてアホの子!?



馬鹿をやりながら歩いていると、すぐに町の入り口に着いた。簡易的な魔物の進入防止用柵はあるが、それ以外には特に対魔物用の設備は特に見当たらない。フロル曰くこの近くには弱い魔物しか出ないそうなので、これでも問題ないようだ。しかし門兵も居ないのはいかがなものか。


「早く宿を見つけようぜ」

「うん」


くっそ暑い砂漠を歩いてきたので、いい加減体がべたべたする。早く宿を見つけて風呂に入りたい。あ、この世界にはちゃんと風呂はある。中世風テンプレファンタジー世界の癖に。まあありがたいからいいけど。


こういうときはやたら親切な門兵さんが飯がうまい宿を教えてくれるのがテンプレなのだが、そもそも門兵自体がいないのでどうしようもない。


「宿ってどこにあるんだろ?」

「さあ....?」

「私も知りません」


まあ初めて来たんだから当然だろう。


「あ、あれ宿じゃないですかね?」


アリーが指差すほうを見てみると、確かにそこには宿と思われる建物があった。ベッドのマークの上にHOTEL書いてあるロゴがドアの上にかけてある。明らかに宿だ。


「あそこにしましょう!」


俺がそこにしようという前にフロルが動き出した。どうやらフロルも速く風呂に入りたいようで、先に宿に入ってしまった。俺とアリーもフロルについて、宿に入った。フロルが受付で困ったような顔をしていたので、小走りで近づいて話を聞く。


「どうしたんですか?」

「ここ、もういっぱいらしいの」

「マジか」


まあ町の入り口にも近かったし、仕方がないだろう。困った様子の俺達を見かねてか、受付のおばさんが


「倉庫なら無料で貸し出してあげるけど....」


と、すばらしい提案をしてくれた。汚いけど大丈夫?なんて聞かれたが、野宿よりはましだ。実際、そこまで汚くは無かった。


風呂のほうは前世のホテルなどと同じく、男湯と女湯に分かれているタイプなので、ちゃんと入れるだろう。



――その時、俺は忘れていた。俺も女湯に入らなければいけないということを.....






少し短いですが、許してくださいぃ

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