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タイムワープ日記  作者: NKi
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未来からの日記

2013年1月20日

今日の日記は変わった日記になると思う。


日記とは本来他人に見せるためではなく自分自身のためにある。 自分が何をしてきたのか、または思い出として書き残したり、自分の行動を振り返るために使われるのだと私は思う。なぜこんな話を今更書くのか。


今日の日記は初めから他人に見せる事を目的に書いているからである。これを見ていただく方のために今からこの日記帳の説明をしたい。


この日記帳は普通の日記とは異なり、私だけが執筆している訳ではない。つまり交換日記のような形である。だが交換はしないし、普段は人に見せたりもしない。


これについてはこの日記の存在と、私の家系について知っていただきたい。私の名前はトオルで現在49歳、妻ヨシコと子供2人で暮らしている。子供は息子タカヒロと娘のユウコである。


この日記に関わるのは私と息子のタカヒロ、そして父のケンイチ。まあ深く話せば祖父のショウゾウまで関わる。わかっていただけると思うが時が進むにつれて、息子そのまた息子と続いていくかもしれない。


祖父のショウゾウの時代に何があったのかは詳しく解らないが、日記を書き始めたそうだ。本当かは別にして少しだけ話に聞いたのは、ショウゾウが問題に巻き込まれ裁判沙汰になった時に、彼の友人が書いていた日記によって救われたという事らしい。


それから祖父は父にも日記を書くことを勧め、嫌がった父に亡くなる時形見のような形で渡したのが始まりだった。その後、父が亡くなる時に私もこの日記を授かったというわけである。


百科事典よりも分厚く、しっかりとした皮の表紙で、見るからに古いこれは、まさに歴史書や古文書のようである。


私はこれを渡されるまでも私的に手帳を持ち、日記もたまに書いていたが、この古びた日記帳をもらってからはこちらに書くようにした。とゆうかせざるを得ない。


なぜなら形見や、家系に伝わる事を途絶えさせるには勇気がいるし、やってはいけない事と頭に備わっているのである。あまりそういった場面はないかもしれないが、直面してみればわかっていただけると思う。


話が変わるがこの日記には決まりがあるらしく、まずは子孫の男系に引き継ぐ事。これは昔の人にありがちな長男を尊重する事からきていると思う。


そして、前の人間つまり父や祖父の日記を読まない事。これは理由はわからないが、日記としての本質を尊重したのか、祖父が見られたくない事があったのか、それは解らない。


見るつもりもなかったが、祖父が書いたであろうページと父のページは大きめのホッチキスで封がされていた。

これでだいたいのこの日記の説明は終わりになる。


そしてここからが私がなぜこの事をここに書き、他人向けに書いているのかを説明したい。


現在は西暦で2013年で今年50歳を迎える。今も現役で仕事をさせてもらっているが、2011年私は重い病にかかり、入院生活をしていた。

現在ではすっかり良くなり仕事にも復帰できたが、その頃は心身ともに追い込まれ本気で死ぬかもしれないと悩んでいたのだ。


その闘病生活の時にも日記はつけていたが、ある時ふと思ったのだ。いつ息子に託すのか。その時には日記の存在も話しておらず、まさか自分が死ぬかもしれないところまで来るとは思ってもいなかった。


そして死んでからでは遅いと思い、私は息子を病室に呼び事の全てを話した。すると息子は快く受け取り承諾してくれた。


私は疲れていたのと、達成感で何か解放された気持ちになったのを覚えている。


そして退院の日、妻と息子と娘で久しぶりに食事をした。食事の後、私は読書が趣味なのもあり、自分の書籍に入った。


本を読むつもりはなかったが、自分の書物を久しぶりに眺めたかったのだ。


机に座りホッと安心した。


ところが机の上にはこの日記帳があった。すぐに二つの考えが頭によぎった。


息子が日記を書くのに飽き私の机に置いていた。もしくは、私が無事に帰ってきたので日記を返した。この二つである。しかしなぜか腑に落ちない。


私に一言も無い事。そして私は息子に話す時に死ぬ前に形見として渡すとは言わなかったのである。縁起もよくはないし、もともとそうゆう決まりはなかったからである。なので私が無事だったからと言って返してくるとは思えない。


飽きてしまったのかとも考えたと言ったが、あれだけ快く引き受け、どちらかと言うと投げ出すタイプでもない息子がそうゆう行動を取るようには思えなかったのである。


まあどちらにせよ、私はこの日記を大事にしていたし、日記を書く事も好きだったので私が引き続き書こうと思った。


しかしページを開くと不思議な事に、ホッチキスで挟まれたページの束が二つだったのが四つに増えているのである。そして私が書いていたページより遥かに先のページまで進んでいる。私は理解に苦しんだ。


いや、最後のほうに書いているページを読んでもっと理解に苦しむ事になったのである。その内容を纏めたり省いているがピックアップして書こう。


2036年11月16日

今日彼女ができたっ!

まじハッピーすぎっ!


2036年12月25日

今日はクリスマス!

彼女とデートの約束だったんだけど、アレのせいで中止。。泣


2037年1月16日

電話で記念日祝うのがやっと。

最近アイツらヤバイ。外に出れない。


2037年4月26日

とうとう戦争になるかも!

アメリカが攻撃したって!


2037年6月9日

アメリカに集中してるから良いけど、日本もそのうちヤバイ!

もうアメリカ潰れるっぽい。技術が違いすぎる。


2037年7月26日

ヤバイヤバイ!

外にアイツら出てこれるようになってる!?

地球の重力に耐えれないってニュースでやってたのに!


2037年9月1日

全面戦争勃発!

地球人なめんなよ!

いってくる!まじ死なん!


2037年10月10日

もう無理だ、これ。

意味わからん武器使ってくるし。ちょっと日記やら手紙書く事もできないかも。


2037年12月20日

きたかも!

一匹捕虜にした!しかもそいつ変な装置持ってて、タイムマシーンなんだって!そいつも日本語通じたから聞き出した!

これで過去いって、2030年事件を未然に防ぐしかない!


2037年12月21日

だめだった。アイツらとの戦争の原因2030年事件だけじゃないらしい。2016年のサタデー事件もだって。そんな長い間過去戻れるかって、まず人間もはいれそうにないし。

小さい物ぐらいしか送れないな。

しかも人が過去とか行くと軸がずれてもっと酷くなるかもだった。

なんか方法ないかな。


2037年12月23日

おじいちゃん。

これ読めましたか?

あなたの孫のシュウジです。今私たちの世界は絶望的です。

ある事件をきっかけに宇宙人と戦争が始まりました。

この日記には父もその事について書いてるだろうし、僕のを読んでもらえれば解ります。

もうたぶんこのままだと地球は滅びます。

信じてもらえるかわかりませんが、信じてください。

僕たちにはこの方法しか残ってません。世界を救ってください。



とゆうのがだいたいの内容である。私は息子の日記帳を確認しにいく事にした。日記帳は息子の部屋にあった。つまり現在日記帳が二つある事になる。


この記事は本当なのか?誰かのいたずら?

それを解読するにはまずこの未来から送られてきた日記に目を通してから書きたい。日記にしては長くなりすぎたが内容が内容だけに書き残しておきたかったのだ。


後日また目を通した上で続きを書きたいと思っている。


2013年2月6日

日記を書くのは久しぶりである。それもそのはず、日夜、日記張を片手に誰が書いたのかわからない日記を読み続けていたからなのだ。


一通り読み終えたので日記として、私の見解をここに述べたい。なぜなら私にはこの未来からの日記の要望に応える自身がないからであり、全てを読み終えた今でも半信半疑なのである。見たこともない孫からの日記を通しての手紙。世界を救うという事。宇宙人との戦争。

これら全てが疑問だらけであるのに、それを信じるのは大抵の人間には難しいと思われる。私が日記にこれを書いているのは、たぶん他人任せにしたいと心の中で思ってしまっているのだと思う。


他に方法は無かったのか、孫よ、と問いたい気持ちである。


今現在は私の中の疑心は多少薄れている。なぜなら孫の日記。


幸せな内容から、戦時中のようになっていく内容。作り話とは思えないほど細かに書かれていた。これだけでも信じるに値するのだが、なぜか行動できない。2016年にはまだ時間がある事もあり今できる事が思いつかない。だがこのままにしておいても拉致があかないので、私は第二の行動にでる。


それは禁止されている過去のページを見てみる事だ。それによって父の筆跡、祖父の筆跡を確かめられる。筆跡を見ぬく力は対した事もないのだが、昭和や大正時代の人の筆跡、文字、言葉使いなどは見れば誰でも現代人じゃない事はわかると思う。


そして息子の持つ日記張と照らし合わせ、全く同じ内容であれば未来から送られてきた物なのであろう。


これを読んでいるあなたは、不思議に思っていると思う。


なぜ自分の日記を読まないのか、そうすれば簡単なのではないかと。そうなのだ。それが出来れば早い話である。


しかし、これが本当に未来から送られてきた物であるなら、私のこれから書くであろう日記も存在するとゆうこと。


私のこれからの人生。私の死期。


全てを知ってこれから生きていくのは辛すぎると思ったから未だに読んでいない。


息子の日記も同様に少なからず私の死期や、家庭の事も書いているに違いない。それを見るのが怖く、まだホッチキスも外していないのである。


この先、証拠にありつけなかった場合は、私の現在よりも前の日記だけでも読み、真実を確かめようとは思っている。


2013年2月9日

正にこの日記張は奇妙である。まず結果から書くが、私は昨夜の深夜、皆が寝静まった後、一人書斎で父と祖父の日記を見た。


大きなホッチキスを慎重に外し、中を開いた。ほとんど確信に近づいていた私は驚いた。父と祖父のページは真っ白な空白だったのだ。私の頭ま真っ白になり、訳がわからなくなった。


そこで私の日記を開く事を決意し、私のページを開く。しかしそれも全て空白。こうなってはと思い息子のも見た。結果は同じだった。


私は驚きもあったが、奇妙さのほうが強かった。なぜなら孫が書いてあったはずのページも真っ白だったのだ。


全てが鉛筆で書かれているわけではなく、ちょっとやそっとじゃ消せない箇所もあったはず。イタズラにしては凄すぎる。紙をすべて張り替える、すり替えるなどしなければできない。2月6日まで私が書いていた物まで消えてしまっている。


まっさらの状態。


私はどこに書こうか悩んだが、ページは覚えていたので私が先日まで書いていた続きにこれを記した。


2013年2月10日

奇跡か偶然か。私は今日、土曜ロードショーを見ていた。知っている人は多いかと思うが、バックトゥザフューチャーがやっていた。何気なく見ていて未来やら過去やら、今の私にはうってつけだなと考えていた時。


主人公の父が主人公の母と上手くいかなくなり、主人公が消えていくというシーンがあった。


それを見て閃いたのだ。


何かが過去で起こり、日記を書いていなかった事になったのだと。つまり祖父から父にも、父から私にも日記帳を引き継ぐ事はされていなかった。いや、日記帳はここに引き継がれているから、日記を書く事だけしなかったのだろう。


つまり何者かによって過去を変えられたんだ。私なりに推理してみたが、当たってようが当たってまいがどうすれば良いのか解らない。


そして、この後私は孫に日記帳を通して手紙を書くつもりである。SFのような話であるが、私はこの不思議は宇宙人やら、未来やら、タイムマシンやらが関係しているとしか思えなくなっている。


もしこの行動が良からぬ方向に行こうが、何もしないよりはマシだと信じ、行動してみようと思う。


2013年2月12日

昨夜私は手紙を孫に書いた。もちろん日記帳を通して。しかしこの日記帳ではない。私が私的に使用していた現代っぽい日記帳である。


事は一刻を争うようにも思えたので、私の日記など読まれても構わない覚悟であった。


まず私は今までに書いたきた事情を説明した。ここに書いたように細かに。

そして、孫に戦争が起こり、あなたは一匹の宇宙人を捕虜にする事。その捕虜からタイムマシンを奪う事。日記を私に向けて送る事を書いた。


そして私はその日記を送る事をやめさせ、今私が手紙として送っている手帳を送らせるように指示したのだ。


もちろん息子に、子どもができ、物心がつくようになった時にこの手帳を息子に渡す事。そして祖父からの日記帳も同じく引き継ぐ事を言い渡した。


つまり私は父からもらった日記帳と、私自身が購入した日記帳の二つを孫に渡した事になる。そして孫に私が購入した日記帳を使うように指示したと思ってもらえればよい。


それらの日記帳を息子に渡す時、息子を巻き込みたくなかったのもあったのか、読まないように伝えた。不思議がっていたが私の真剣な顔を見て納得してくれたのだ。その時は本当に良い息子を持ったと感じた。


お前が一番重大な役割なんだっと心で叫び、息子に託して私はこれを書いている。


これらの行動を取った理由とは、父からの日記帳に何らかの不具合がおこり情報のやりとりができなくなったためである。


私がその日記帳に孫に向けて文章を書いても白紙で届いてしまっては意味がない。なので私の元々持っていた日記帳でやりとりをしようと考えたのである。


2013年2月13日

やはり私の読みは的中した。


私が昨日の行動を起こしたのには一つの読みがあった。孫がタイムマシンを使って私宛に手紙を書き、それから日記帳が白紙になってしまった。つまりそれが原因で、何者かが(私は宇宙人だと思っている。)もっと過去に遡り日記帳を書く事を阻止したのだと私は考えたのだ。


だから次は宇宙人にバレないように私の日記帳を使い、孫と情報を交換するようにした。私が孫にメッセージを書きたい時は、息子の部屋に行き息子に託した私の日記帳に書きこむ。その返事は古い日記帳に気付いたら記入される。こうゆう方程式を成り立たせたかった。


私の推理が正解かどうかはわからないが、古びた日記帳は白紙ではなくなっており、正に方程式通り返事も書かれていた。


ここまでに至るまでに私はもう一つ工夫をしたのである。


察しの良い方は疑問に思ったであろうが、なぜ古い日記帳が未だに存在するのかを。


孫には新しい日記帳を使うように指示し、新しい日記帳を送らせたのだから古い日記帳は送られていないはず。だが私の手元にある。


なぜなら私が孫にあてた手紙に、古い日記帳も送るように指示したのだ。しかも私の祖父宛に。そして日記帳に日記を書く事。何か阻止しようとするものがあった場合は、別の物を代用に息子に伝えていく事。などを孫から祖父に送らせたのである。


つまり何らかの形で私のもとには返事が日記帳などを伝って伝わるようにしたのだ。今私のもとには古い日記帳を通して返事が返ってきているので祖父は無事に遂行してくれたのであろう。


まずここで宇宙人と戦うための土台を築いたと言えよう。


2013年2月25日

あれから私たちは未来と現在を文通のような形でやりとりを続けている。まず私が知りたかった事は、2016年と2030年に起こった事件の詳細である。


2016年事件とは、アメリカ南部に隕石が衝突した事件である。落下の直撃を受けた地方は壊滅的な打撃を受けた。


しかし、それは隕石ではなく小型の宇宙船であり、中の宇宙人を捕虜にしたのだ。それらの宇宙人は研究に使われていたが、引力、外気のせいですぐに生き耐えたらしい。


それらの出来事をアメリカ政府は上流階級の者だけの極秘情報としたが、各地で宇宙人の目撃情報の増加や、内部告発などから、真実の噂は拡大していく。


それによりアメリカ政府は捕虜の解放を餌に宇宙人とコンタクトをとっていた事がわかった。


日本人や一般人には真相は明らかにされていないが、ある程度宇宙人の存在をも把握させるぐらいにまで影響力のあった事件であった。


そして2030年事件とは、宇宙人が捕虜がすでに死んでいたにも関わらず、知識、技術を要求してきたアメリカに対して宣戦布告をした事件である。


ある一定の範囲の電波を乗っ取り音声での宣戦布告だったそうだ。一般家庭のテレビからもその音声は聞こえ、主要都市などを主にハッキングしていたと思われる。


そして翌日から謎の飛行物体が空を飛ぶのが当たり前になったそうだ。だが宇宙人は一方的に攻撃はせず、アメリカ政府に対して要求をしていたそうだ。


それらの要求は、宇宙人の地球永住権、地球人の宇宙飛行禁止、非核三原則、である。


つまり地球人は地球のみで生活し、宇宙への希望を断ち切る事。そして対抗する力の放棄である。まあおとなしく地球で暮らせと言う内容であろう。


それの返答は国際連合に委ねられたが、保留のままであった。各国はアメリカに対して責任を問いつつも結局2036年まで解決案は出なかった。


そしてついにアメリカは単独で宇宙人へ攻撃を開始したのである。


私はこの話を知り、ゾッとしてしまった。事が大きすぎる。周りに知らせるだけではどうにもならない。孫は私がメディア関係の職についている事をしっていたのか、それにしても無謀すぎる。


私は大変な責任を負ってしまったに違いない……


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