二番目の空。
掲載日:2026/06/26
今日も僕は、見上げるだけ。
僕の唯一を、あの子はふわりと超えていった。
だれか僕を、掬い上げてくれ。
ああ、そうか、
助けられる価値なんてないか。
また、
手は空を切った。
善意は握り潰された。
足を動かしたくはないけど、
時計の針は構わず進む。
もう、全部止まってくれ。
僕が悪いから、
頼むから、
追い打ちをかけないでくれ。
「ああ、──」
すぐそこまできていた言葉は、
息を吸って呑み込んだ。
──周りには聞かせられないな。
でも、
まだ起き上がれる。
階段を登れる。
手を動かせる。
たとえ僕が限界だとしても、
まだ、やれる。
やれてしまう。
朝が来る。
鉛でできた身体を起こして、
次の段に右足を乗せて、
白い紙を前に、ペンを握る。
隣に向けられた拍手が、
今も耳に残っている。
今日も、明日も、
数年後もきっと。
陽は昇ってしまうのだろう。




