わたしの目覚め
途端にまぶしさを感じて、開けかけたまぶたを閉じる。
窓のカーテンが揺れて生暖かい風が頬を撫でる。
わたしの部屋にこんな大きな窓はないはずだ。わたしの部屋はこんな白くてやわらかいカーテンではない。もっと暗くて、陰気な......
「起きた?もっと寝てていいよ」
誰かしゃべった?なんて言ったか、わからない。理解がワンテンポ遅れる。
まぶたが重い。これ以上何も考えられない。
わたしは布団の重みを感じながらまた眠りについた。
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彼女をここに運びこんできて、1週間が経とうとしている。最初は彼女は3日間寝て、目が覚めたと思ったらまた寝る、の繰り返しだった。彼女の意識のないまま、経口補水液を取らせながらなんとか生きながらえるようにはさせた。後遺症が残らない程度には手を尽くせたはずだ。医師免許など持ってはいないため、これで正しかったかどうかわからない。本当は点滴を打つために医者に行ったほうが良かっただろう。でもそうしたら連れ出した意味がない。
彼女は社畜同然で働いていた会社を数日前にやめた。
あと2ヶ月くらい働けば過労死、といったところだったと思う。
彼女は激務だった。その当時もそのせいで意識がはっきりしていない時もままあったが、今は緊張の糸が溶けたのだろう。働いていた時よりもずっと意識が薄れている時間が長かった。
僕の存在に拒否反応を示さないのもそのせいだと思う。彼女は周囲のことも生きることもまるで興味が薄いように見える。永遠に目を覚まさないのではとたまに心配になる。
「今はゆっくりおやすみ」
彼女の部屋の窓を閉めてドアの鍵をかけた。




