第15話 前兆
設定を練る時間ってありますよね。
敵側の設定をこねています。コネコネ〜コネコネ〜♪
そういえばお粘土お姉さん卒業しちゃいましたね。
【パート40】
研究所に戻ったヴィクターはグレイムから渡された謎のケースを皆に見せた。
「その上官さんに貰ったのね?」
ルミノアが興味深そうに見ている。
「ああ、帰ってから開けるように言われて持ってきたんだ。」
「ねえ!開けてみたらいいんじゃない?」
レイがヴィクターの肩を叩いた。
「おい、ヴィクター。さっきから感じていたんだ。これの中身......、恐らく、このスーツに関わる物だ。繋がりを感じる。」
スペキュラオスがスーツから主張している。
「このスーツに?でも、このスーツはルミ姉が作ったんだよ??軍のお偉いさんが持ってるわけないよ。」
レイが訂正した。
「怖いわねぇ.....、でも開けてから考えましょう?気になって仕方がないもの。」
ヴィクターがケースを開けると、そこには予想とは全く違う物が入っていた。
「おい!スペキュラオス!全然スールとは関係ないじゃないか!ただの無線機じゃないか!!」
ヴィクターは声を荒らげている。
「ヴィクターさん!落ち着いて!何かわけがあるのかもしれないし......」
ルミノアがヴィクターの肩を抑えながら言った。
「すまない......、確かに繋がりを感じたのだが.....、そういうことではなかったようだな。」
「これ無線機?だよね?これを渡したのには何か訳が.......」
レイの話を無線機から出る声が遮った。
『三日後、シャドガルドへの進軍を開始する。これは上からの命令だ。作戦はーー』
無線機の音が急に小さくなっていく。
足音が聞こえ始めたかと思えば、ドアの閉まる音がした。
『ヴィクター殿、聞こえていましたかな??ケースが開けられたことを確認したので連絡の方を......』
「グレイムさん!?何でグレイムさんが?」
ヴィクターは無線機を自分で持ち上げた。
他のみんなは声のボリュームを下げてメモを取り始めた。
『申し訳ありません.....、直接だと上から怪しまれるが故.....、ヴィクター殿には一旦帰ってもらいました。聞こえた通り、シャドガルドへの進軍は三日後です。では私はこれでーーー』
無線機は声を発しなくなった。
「どうした?ヴィクター、帰ってきていたのか?皆、そんなところで何している??」
資料室から出てきた博士が話に参加してきた。
「ああ、話を整理するとだな.....」
ヴィクターは白紙に情報を書き出しながら説明し出した。
「ふむ、なるほど。大体分かった。そうか.....、グレイム......。」
「何だ?博士!何か知ってるのか?」
レイとルミノアが博士の方に目線を移した。
「大学時代に、同じ考古学を志した友人がいてな.....」
博士が懐かしむように座りだしたのでヴィクターは話を止めた。
「その話、前にも聞いたぞ。」
「いや、話していないぞ。」
「あっちの博士にだ。あれだろ?同じ考古学者の友達がスペキュラム遺跡の話を.....」
ヴィクターが得意げに話し始めた。
「ああ!そうだよ!そいつがグレイムだ!そうだ。あの後、軍に入ったとか言っていたなぁ.....、懐かしい。」
博士は大きくため息をついた。
「ヴィクターの上官が博士の友だちだったってこと!?」
レイはヴィクターと博士を交互に見ている。
「すごい偶然もあるものねぇ.....、それで博士?話はそれだけなの?」
「え?あ、ああ。すまない。それだけだ。」
博士は申し訳なさそうに背中を丸めた。
「でも、そうか。やっぱり、グレイムさんは信用できそうだな。博士の友だちでもあるんだ。」
ヴィクターは大きく頷いた。
「それで、進軍が三日後か。上から言わないようにあらかじめ命令を.....」
「グレイムさんは、ヴィクターさんに知らせる選択を取った.....、ということね。」
ルミノアがメモを取りながら頷いた。
「ふむ、上はエイゼンの手にあるのかもしれんな。グレイムはまだ影の手に堕ちていないというわけか。」
博士はコーヒーにミルクを入れた。
「そういうことらしい。じゃあ俺はシャドガルド進軍の場に向かうべきってことだな。」
「三日後ね.....、スーツの整備をしておきましょう。」
ルミノアはスーツを持ってスキップしながら自分の部屋へ向かった。
「じゃあ、私はリリィのお世話があるから!」
ヴィクターの肩をポンと叩いて走っていった。
残ったのは博士とヴィクターの二人だった。
「何か、大きな歯車が動き出している気がする。シャドガルドへの進軍というのがさっきから引っ掛かっているのだ.....。すまない....、私も資料を片っ端から調べておきたい!」
博士はコーヒーを飲み干して、資料室へ駆け込んでいった。
「一人になったな。ヴィクターよ。お主は何をするのだ?」
スペキュラオスの問いかけにヴィクターは拳を握りしめながら言った。
「戦闘訓練......、しておくか。」




