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最終版第10話 覚醒

【パート27】

精神世界での修行の影響でひどく疲れていたヴィクターはすぐに眠りについた。


翌朝、ヴィクターが起床して、洗面所へと向かった。レイがいたので「おはよう」の一言でも掛けようと思って肩を叩いた。


「おはよ.....」


レイの大きな悲鳴が響いた。


「ど、どうしたんだよ!急に大きな声出すなよ!!」


「ヴィ、ヴィクター!?来るんだったら足音の一つぐらい出したらどうなの??ビックリしたじゃないの!!」


「な、何??足音してなかったか??」


「全っ然!気づかなかったよ!ホントにビックリしたんだから!!」


レイの驚き様を見て、ヴィクターは本当に自分の足音がしていないのか確かめようとした。どれだけ音を立てても、大げさに動いても足音が出ない。それどころか、体全体から音がしないようになっている。筋肉が音を全て吸収しているかのようだった。


「なあ、レイ。どうやら昨日の修行の成果が出てきたみたいだ.....。」


「昨日言ってたやつのこと??」


レイは首を傾げた。


「でも精神世界なんだよね??どういうこと?」


「反映する.......、みたいだ.....。」


ヴィクターは自分の手を不思議そうに見つめた。


「試してきたら??ルミ姉さんもきっと喜んでスーツの準備をしてくれるはず!!」


博士、レイ、ルミノア、リリィの4人はいよいよ始まるヴィクターのスーツの装着に興味津々だった。


【パート28】

「さあ、存分に力を発揮するのよ!スーツちゃん!!」


「ようやくここまで来たか......潰えたはずの希望が.....今、私の目の前に.....」


「長かったね。ここまで......」


「ああ。本当にな。だが、奴が来てからというものコトがトントン拍子に進んで怖いぐらいだ。」


博士はヴィクターに視線を向けた。


ヴィクターは白く輝くスーツを装着するところだ。試練の前はあんなにヴィクターを拒んでいたスーツだったが、今は大人しく歓迎してくれているようだ。


「いよいよだな.....。装着開始!」


ルミノアたちが不思議そうに見つめた。


「自分で着るのよ?そこまでハイテクじゃないの......。」


ルミノアは肩を落とした。


しばらくすると、スーツが呼びかけに応えるように自動装着された。


ルミノアは全く知らないといった様子で首を横に振っていた。


ヴィクターは胸を張って言った。


「遅かったな!」


「フフフ....ハッハッハッハッ!久しぶりに外界を感じるぞ!!スペキュラオス接続完了だ!!」


「嘘でしょ??」


「スペキュラオス!?」


ルミノアとレイは唖然としていた。


「びっくりしたであろう。ヴィクターとの契約でここへ宿れるようになったのだ!!」


「こんな喋り方だったっけ.....??」


「多分、修行とやらでヴィクターの口調が伝染っちゃったのよ.....」


「修行の成果が出てきたみたいだから試しに行くところだったんだ!!」


ヴィクターは言い放った。


「ちょっと暴れるぞ!スペキュラオス!!」


「ああ!修行の成果見せるがいい!!」


ヴィクターはスーツを身に纏って、研究所から走り去った。


研究所に残った3人は走り去ったヴィクターが何人もいたように見えた。

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