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最終版第3話 光の古文書

【パート7】

少し私の話をしよう。


私の名前はアーサー・ロイド・ブラウン。皆、私をロイドと呼んだ。

今から話すのは、私がこのタイムトラベルを実現するまでの話だ。少し長くなるかもしれないがしっかり聞きたまえ。


大昔のことだ。

私には息子と妻がいて、家族3人で郊外で幸せに暮らしていた。これからもこんな生活がずっと続くものだと思っていた.......。

私の職業は考古学者で、世界各地の遺跡や秘宝などについての調査を専門としていた。昔から映画の冒険家や探検家に憧れてごっこ遊びをしたものだ。

幸せに過ごしていた私たち家族であったが、その幸せもあまり長いこと続かなかった。そう、あの戦争がすべての終わりだった......。

あまり生々しいことを話すと、君も思い出してしまったりするかもしれないから詳細は言わないでおこう。


私は戦争で家族を失った。その絶望で全てに手がつかなかった私を慰めてくれた人間がいた。

それは、大学時代に供に学問に励んだ考古学者で同じ大学教授の友人だった。私たち両方が大切な家族を失い、この地に逃げてきた。さっきも言った通り、まだ巻き込まれていない場所だったからだ。その友人が私にこう言ったのだ。


「あの砂漠を越えた向こうにあるスペキュラム遺跡には世界を変えることができる古代兵器が眠っているらしい。」


世界を変える.....、これしかないと思った。私はこれで世界を変えるのだと、戦争を終わらせるのだと。そう心に決めた。その意志を固めて私はスペキュラム遺跡へと旅を始めた。


私は砂漠超えをした。できることならもうやりたくない。復讐をするという決心から来た体力だったのだろう。

たくさん歩いた。まだそんな歳じゃないからと言ってラクダを乗るのを断ったが、乗っておけばよかったと思った。もう足が限界だったし、喉がカラカラだった。

そこに見えてきたのは、水だ。オアシスというやつだろう。私はそこに向かって走って行った。体力を使い果たして、水辺にようやく辿り着いた。私は喉を潤して、どこかに日陰がないかと探そうとして見渡した。

そこには大きな建造物があった。さっきは水しか見えていなかったから気づかなかったが、ここはオアシスではなかったのだ。いや、オアシスではあったのかもしれないが、メインはこの建造物だろう。

ここが.....、この建造物こそがスペキュラム遺跡。探していたその場所だったのだ。私は遺跡の中に入った。


そこには、3つの太陽が正三角形に並んでいて、その下にそれを見上げるようにしている3mぐらいの白い巨人がいた。光でできた点の目、それが3つ正三角形状に並んでいる。それを見て影のようなものが逃げている。という壁画があった。


職業柄、たくさんの遺跡や秘宝を見てきた私だがこのような壁画が描かれている場所など初めてだった。壁一面の太陽の前には台があり、その上に"それ"はあった。私が今まで追い求めてきたこの遺跡に存在する古代兵器だ。


私はその木箱を空けた。そこには古代兵器と呼ばれるモノとはほど遠いモノが入っていた。数枚の紙切れだった。数枚の今にも破れそうな紙の集合体。私はこんなモノのために長旅をしていたというのか。

だが、外見だけで判断してこの紙を投げ捨ててしまうのは良くない。私はしっかりと目を通した。そこに書いてあったのは、簡単に言うと "こう" だ。


"光を制するものは全を制する。"


「全を制する......、つまり世界を制する......、やはりこれで間違いない......。」


他の部分は知らない言語で書かれていて全く読めなかった。私にはこれを説明するほどの理系の知識がなかった。だから私は有能な科学者を探した。


「これだ......!!長旅をした甲斐があった!!」


そこに書いてあったのが今のタイムトラベルを可能にする理論だ。だが、私にはこれを説明するほどの理系の知識がなかった。だから私は科学者を探した。


この理論を解読できる人物がいないか、出会ったことがある人物、新聞などで取り上げられていた人物などに手当たり次第依頼した。だがどの科学者も全員首を横に振った。


「急がねば.......、誰でもいい......。誰でも......、これが理解できる者であれば.....!!」


急いでいた私は各地を走り回った。いつあの戦争がこの辺りまで広がるか分からないからだ。幸い、まだ戦争は小規模でだった。だが、徐々に広がっていく傾向が当時からあった。


【パート8】

私たちの集落へと走っていく老人を見つけた。


(敵かも。敵だ。そうに決まっている!きっと敵国の軍人か何かだよ!敵なら倒さなきゃ!!)


だから私は後ろから老人を勢いよく取り押さえた。


「ウグッ!!貴様!何をする!」


「ほら、おじさん!私たちの集落に何かしようとしているんでしょ!!言い訳しても聞かないからね!!」


少女が大きな声で言った。


「集落!?何のことだ!この辺に集落があるなんて聞いたことがないぞ!!」


「嘘つかないで!そんなに暴れるなら....こうっ!!あ、やっちゃった......、どうしよう........。」


倒れた老人を見て、私は少し申し訳なさそうな顔をした。私は老人が持っている封筒を手に取り、中身を見た。


「どれどれ〜?中身は…?」


中の紙束を見た私は本当に驚いた。予言の通りだったから。私たちの集落に、部族に代々伝わる予言の通りだったから。そう......、私たちスペキュラ族に。


「ちょっと大人しくしてね。」


私はこの老人を集落へと運ぶことに決めた。あの人なら、姉さんなら何か分かるかもしれないから。


【パート3】

「起きなよ。ねぇ、起きて。少し強すぎたかな.....」


どれぐらい時間が経ったのかが分からないが、恐らくあの娘にやられたのだろう。中々痛いじゃないか......。


「なんだ.....?ここは.....、どこだ......??」


私の問いかけに元気が有り余っていると言いたげな少女が答えた。


「ここは私たちスペキュラ族の住処。みんなこの場所をカレイドって呼ぶんだ。おじさんが持ってる"それ"、姉さんなら分かるかなと思って。ね!ルミ姉!」


この少女の姉、ルミ姉と呼ばれている。その女性はは勝手に部外者である私を連れてきたことで怒られた。


「全く。あなたったらすぐ外のモノを連れてくる。しっかりとした判断をしなさいと言っているでしょうに。コラ!レイ!聞いてるの??」


この少女はレイという名前らしい。レイは姉の説教にこう言った。


「人を連れてきたことはないだろ?それより、このおじさんの封筒の中身解読できた?」


どうやら古文書の解読をしてくれているようだ。


「ええ、でもここの部分が少し欠けているのと長いこと置いてあって文字が薄くなっているので解読できない状態。でもまあ、大体の解読は完了よ。」


「だって!おじさん良かったね!」


「解読.....できたのか!?私が解読を依頼した人間の全員が首を横に振ったというのに.......。教えてくれ。あなたは一体......??」


私は心の底から驚いていた。この女性こそが私の求めていた有能な科学者だったのだ.....!


「私の名前はルミノア。この集落の住人よ。その古文書、多分スペキュラ族の計算方式とスペキュラ語が使われているから誰にも分からなかったんだと思うわ。」


スペキュラ族という名前も初めて聞いたし、スペキュラ語という名前も聞いたことがなかった。考古学者だった私は少しヘコんだ。


「そう.....だったのか。助かったよ。ありがとう。おっといけない。名乗らねばな。私の名前は、アーサー・ロイド・ブラウン。皆、私のことをロイドと呼ぶ。.......、それでここには何と書いてあった?私は考古学者だが、数式は分からないし、そのスペキュラ語とやらがさっぱり読めなかったのだ。」


ルミノアは納得したというようにガッテンポーズをした。


「なるほど。それで解読する人間を探していたのね。教えるわ。ここに書いてあった内容はこうよ。」




    "光を制するものは全を制する。 

      光は万物の記憶なり。"


今からここに記すのは光と影を司るスペキュラオスの神秘である。


"光は万物の記憶なり。鏡は其の記憶を写し取り、時を繋ぐ門となる。"


"其の器に光を蓄えよ。光は力となり、色を成す。"


"白きは無垢、灰は鋼を呼び、黒は真の姿を現さん。"


"されど、光は儚き.......


「驚いたわ。スペキュラ族に代々伝わる予言に似たようなことが書いてある........。」


「それで?今の言葉で言うとどういうことなの??」


「今の言葉で言うと、鏡は過去と未来を繋ぐ門となる。あとは、器っていうのが何なのかしら......、分からないわ......。光を蓄えられる器があるみたい。白とか灰色とかって書いてあるけど、これも何のことか分からないわね。分からない続きだけど、この次の欄はそれ以前に読めないのよ。」


「本当だ。なんて書いてあるか分かんないね。」


確かに、古文書の最後の行は欠けていて、なんと書いてあるのか分からない。どうやら、この優秀な科学者にも書いてあることの意味は分からないようだ。


「君ほど優秀でも分からないのか......、だがありがとう。現代の言葉で何て書いてあるのか分かれば後は.......」


「そうね。ここに書いてあることが本当なら、光を保存できる器があるはずよ。これこそが、あなたの望む世界を変える大いなる力.......。でも、この読めない部分が気になるわね......。って......、ロイドさん??」


「おじさんならさっき帰ちゃったよ。ものすごい目つきしてたもん。止められなかったよ。」


「心配ねぇ。大丈夫かしら。私たちも調べてみようかしら.....。光の器..........」


ルミノアの眼には探究心が宿った。


解読版を手に入れた!研究所に戻って私はこれを形にしようと研究に取り掛かろうとした。急がねばならない......、早くこの戦争を終わらせるのだ......!!

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