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第1話 クロウズ隊に起こった悲劇

ごめんなさい。大幅にリメイクしたのでこっちで新規に作りました。よろしくお願いします。

20XX年。

かつて「平和ボケ」とまで言われた平和っぷりで、戦争なんてものとは縁がなかった国、ヴァイスガルド王国。

その首都ルミナスシティでは銃弾が飛び交っていた。

目の前に広がる敵の軍勢は全く減らない。そして、報告を受けていた数と違いすぎる。そのことに対して、サリバンは怒っているようだ。


「クソッ!!敵がこんなにいるなんて聞いてないぞ!!誰だ楽勝とか言いやがったのは!!おいジャック!マガジンよこせ!」


「隊長だよ!全くもう!あぁ!弾が足りない!ダニー!マガジ......、ダニー!?おい!どうした!!」


ミラーがダニーの身体を強く抱き寄せた。返り血で赤く染まった手が、止まらない出血を抑えようと無様に震えている。


「おい!ダニー!しっかりしろ!」


「楽にしてくれ......、もういいんだミラー......」


「バカな言うな!!全員生きて帰るんだ!!大体、そんな脂肪があったら、銃弾なんて止めれるだろ!」


その時、サリバンはさっきから全く動いていない隊長に向かって大声で呼びかけた。


「隊長!もうもたない!起きてくださいよ!!」


敵の数はあそこに10、あっちには30ぐらいか、あとはバラけた雑魚兵が2人か3人。ちっちゃめの爆弾5個ぐらいで足りそうだな。


「おいサリバン、ちっちゃめの爆弾5個用意しろ!」


「やっと起きたんですか!隊長!」


サリバンはヴィクターに要望通りのちっちゃめの爆弾を5個渡した。


「俺はさっきまで寝てたんじゃない.....、計算をしていたんだ!完璧な計算をな!」


ヴィクターの視点には敵の集団に向かっての放物線が4本ほど映っていた。

これに沿って爆弾を投げればいい。簡単なことだ。

ヴィクターが投げた爆弾は、その4本の放物線に吸い込めれるようにして飛んでいった。

1つ目は大きい壁に隠れている部隊に、2つ目はこちらに走ってくるバカな部隊に、3つ目はもっと遠くでこれから参戦するであろう部隊に、4つ目と5つ目は大苦戦していた大勢の敵へ向かっていった。

すると、すべてが爆発して全ての部隊を一掃した。

熱を感じ取ったサリバンとジャックは空いた口が塞がらなかった。


「すっげーな。流石だよ。隊長。」


「全員片付けやがった......。どんな脳みそしてたらあんな完璧に飛ばせるんだ??」


クロウズ隊隊長、クロウズは隊長であるヴィクター・クロウのファミリーネームから取っている。計算が得意で、特に投げるワザに関しては右に出る者はいなかった。


敵兵を一掃できたのは良いものの、ミラーがこの喜びを終わらせた。


「隊長!!ダニーが!」


「隊長......、最後にこれを......」


ダニーがヴィクターに渡したのは自分のドックタグだ。震えるダニーの手をガシッと掴んで、ヴィクターは言った。


「ダニー、お前はお供え物だったら何が欲しい。」


「食い物だ.....、隊長.....」


ヴィクターはぐっと涙を堪えて言った。


「ペプシとコカコーラ.....、どっちが良い?」


「ペプシで頼むよ.....、隊長.....」


ダニーは最後に微笑むような顔をして眠りについた。


「この辺に敵兵はいないはずだ。今のうちに退くぞ。もちろん、ダニーも運んでな。墓を作りに行くぞ!」


隊員一同「 「 「 は い!!! 」 」 」


ヴィクターたちは戦地から遠ざかっていた。そのときだった。


シュルシュル.....、シュルシュル。

シュルシュル.....、シュルシュル。


ヴィクターたちの耳に入ってきたのは、聞いたこともない音だった。まるで、ジャングル探検中にカサカサと音がするような。ハリーポッターに出てくるヘビ語のような。そんな不気味な音だった。その音に気づいたのはヴィクターだけではなく、隊員全員だった。


「な、なんだ!なんの音だ!!おい、ジャック!これは俺の幻聴か......??」


シュル、シュル......


「わ、分からない!けど敵兵はこの辺にはいないはずだぞ!!」


シュル、シュル......


ダニーを抱えているミラーは怯えながらダニーを抱え直した。


シュル、シュル......


「......、なんだ??どんどん大きくなっていくぞ!!」


次に聞こえてきたのは足音だった。


コツ.....、コツ....

コツ.....、コツ....


「おやおや。こんなところに人がいるはずではないのだがね。向こうの計画が失敗したようだね。」


若い男の隣に、ヒトの形をした真っ黒い影に翼が生えた。みたいな化け物がいる。とにかく今はこんな説明しかできない。


「殺すか?」


目の前にいる"それら"が放つ強烈な殺気が隊員たちを混乱に陥れた。ヴィクターは隊員たちを落ち着かせようとした。


「お、おい!お前ら!勝手に動くな!」


「まあ、逃げても無駄なんだけどね。おい、殺れ。」


「あいよ。」


化け物が手をかざすと、逃げたサリバン、ジャック、ミラーの影を吸い取った。そして、隊員たちは倒れた。死んだのだ。ヴィクターは恐怖で身動きが取れなかった。化け物がヴィクターに恐怖の矛先を向けると、ヴィクターに眠っていた本能が目覚た。本能は脚を動かした。

ヴィクターはもう誰もいない飲食店のような場所に逃げ込んだ。すると、影の化け物は追いかけてこなかった。


??「チッ。」



仲間が全員殺られた!全員だ!!一体何なんだあの化け物は!落ち着け落ち着け.......何故だか分からないがもう追ってこない.....。頭を冷やすんだ。


ヴィクターが洗面所で水を浴びて、文字通り頭を冷やした。

頭に水が流れているが、これに涙が含まれているかも分からない。

すると、目の前にある鏡から不思議な音がした。

まるでパソコンが起動したような、掃除機のような音だった。


(何の音だ!さっきの化け物か??)


反射的に銃を向けたが誰もいない。


(良かった。大丈夫そうだな......。)


そう思ったのと同時に、ヴィクターは鏡から溢れ出す青白い光に包まれた。

ヴィクターは青白い空間に飛ばされた。すると、青白い空間が研究所のような施設へと姿を変えていった。それは子供用服の撫でると色が変わるスパンコールのようだった。


(な、なんだこれは!!)


シュル......、シュル.....

シュル......、シュル.....


影の化け物を連れた若い男が言った。


「逃したか。我々も失敗か。」


「殺せなかったか。」

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