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薄いピンクの上品なフリルのドレスが仕上がってきたので試着して鏡の前で見ていたところ、母が「普段からこんな風に着飾ってれば良かったじゃない!」などと騒ぎだした。


ううん、学園に通うだけに着るには少し豪華すぎる装いだわ。…でもまあ、確かに悪くないかも。 


リデル自身、なかなか可愛らしいと思う姿が鏡に映っていた。


「これなら先方も満足するわねえ」母がそんなことを言い出したので、「先方?」と聞き返した。


「来客を予定しているのよ。そのドレスが出来上がってから予定組もうとしてたもんだから、まだ日程は決まってないんだけど。


でも不具合も無さそうだし、話をすすめて良さそうね。」


来客のためにドレスをあつらえたのか…

でも大げさでは?


「一体どなたがいらっしゃるの?」


「それは、来られてからのお楽しみね!」

母は笑みを浮かべつつ、そうとしか話してくれないのだった。


リデルはミネルヴァにそっと手紙をしたためた。


内容は、最近学園に行ってない事情と、父への手紙の返事を本人に会えてもしてくれないことと、


いろんな疑問があるのになぜか理由を教えてもらえないということについてだ。


外に行く用事のある使用人の方に言付ける。


そういえば最近、使用人の人数が増え、時間もフルタイムで働く方が増えた。


父の仕事がうまくいってお金まわりがかなり良くなったのかしら?


そうこうリデルが思い悩んでるうちに、その来客とやらを迎える日が来てしまった…



来客の方がお見えになりましたと知らせがきたので、応接間へ向かうリデルだった。


例の淡いピンクの上品なドレスに、銀に小粒のピンクパールをあしらったイヤリング、同じ意匠のネックレスを身に着けている。


髪はおろしたままだけど、後ろの方に少し編み込みを入れてある。


ティアラのごとく、銀細工の細かいチェーンにさらに細かいクリスタルガラスを嵌め込んだものを輪の形で髪の上から押さえるようにしている。細かいクリスタルガラスはリデルが動くたびにキラリと光るようになっていた。


こんなに着飾ったことなど、これまでないのでは?と思う。


それなのに、未だに来客の名前を教えてもらえていない。これからお会いするのに…


応接間に入ると、すでに上品な装いをした父母が待っていたが、


時をおかずして扉が開かれ、背の高い金髪の客人が入って来た。


…ジェイド様!


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