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次の日。朝、リデルは、前の晩に夜遅く帰ってきたらしい母に会えた。
昨日の母が会った相手は、集まる顔ぶれが親しい方々ではなかったらしく、例の件については話ができなかったらしかった。
情報が全くないのは残念ではあるが、妙なことを母が口走ることにならず、かえって良かったかもしれなかった。
「そうそう、お父様がね、この前会えたとき話したんだけど、
あなたの服を早急に仕立てようと言い出したのよ。
近々仕立屋を呼ぶことになるから、そのつもりでいてね。」
母はふと思い出したように言い出した。
「ええ?…お母様、なぜ今なの?」リデルは首をかしげた。今は取り立てて新しい服が必要な時期ではないのに。
「きっと私がお前の服について文句を言ってきたからじゃないかしら。
古着を買って着ているとか、平民みたいな格好で学園に通っていたり。
本当に恥ずかしいわとお父様にこれまで話してきてた。
お父様、やっとその気になってくれたのよ。」
「その話、お父様にはずっと断わってきていたはずなのに…おかしいわ。」
そう、これまで父からは、母のように少しは服を新調していいんだよとたびたび言われていたのだ。
その度に断わってきたのだった。
ろくなところに嫁げないかもしれない自分には装うこと自体もったいないのだ。
経済的な事情や後々に無駄になることを考えて決めたことだが、両親に面と向かってそうとはっきりは言えず、学業に集中したいからだと理由づけていた。
それで父は納得してくれていたのに…




