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ミネルヴァがそばにいてくれたおかげで、どうにか午後も授業をフルで受けられたのだが、なかなか授業に身が入らず、黒板の字をノートにそのまま写すだけになってしまった。
集中しようとしても心配事の方が頭を占領してしまい、授業の内容が頭に入らない…
頭の良い人たちは、悩み事を気にせず勉学に集中できるものなんだろうか?…自分には無理かもしれない。
いずれにしろ天才とはほど遠い。
もちろん、秀才でもないことは確かだ。
これでもそれなりに努力はしているけれども。
仕方ない。心が落ち着いてからノートを読み直し、わからない部分は図書館で調べるしかない。
そして家に帰宅したが、父はまたしてもいなかった。珍しいことに母もまだ帰っておらず、両親ともいない。
僅かな使用人たちに給仕してもらい、一人で食事をした後、早速父と兄に手紙をしたためた。
父宛の手紙は書斎の机においたが、兄宛は帝都の兄の住所に送付するよう、もう夜なので明日出してねと言いながら使用人の方に頼んだ。
深刻な悩みがある時に実家にいるのにもかかわらず、相談する相手が誰もいない。
なんとも心細い。間が悪いのかな?
運が悪いとまでは思いたくない。悪いような気はしてるんだけど…
それでも手紙を書いたので進展はありそう。少し気は楽になった。
考えたら、ミネルヴァのように相談できる友人がいるだけでもきっと運がいい。
心の中で友人にそっと感謝したのであった。




